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	<title>FOOCOM.NET &#187; 投稿コーナー</title>
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	<description>科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体</description>
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		<title>新容器を採用したしょうゆ「鮮度の一滴」の衝撃(横山 勉さん)</title>
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		<pubDate>Wed, 21 Mar 2012 01:13:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>事務局</dc:creator>
				<category><![CDATA[投稿コーナー]]></category>

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		<description><![CDATA[○はじめに 　しょうゆの最大の生産地は千葉県である。大消費地となった江戸へ供給するために、江戸時代初期から発展してきた。醸造と水運の適地だった野田市にトップメーカーのキッコーマン、同様な銚子市に2番手ヤマサ醤油と3番手ヒゲタ醤油がある。これに続くのが兵庫県で、たつの市に4番手ヒガシマル醤油が工場を構える。通常の濃口（こいくち）しょうゆより色がうすい淡口（うすくち）しょうゆの生産が多い。香川県の小豆島には5番手マルキン忠勇がある。以上がしょうゆ大手5社で、全国シェアのほぼ5割を占めている。 　筆者はヒゲタ醤油に長く勤務し、技術部門を中心に研究開発、品質保証、マーケティング等に従事した。定年後の2010年、技術士事務所を開設し現在に至る。しょうゆの品質について、技術者としての思い入れがある。今回は、しょうゆの家庭用市場に起きている変化について紹介したい。 ○しょうゆ出荷量の減少 　家庭用のしょうゆといえば、どなたも1L（リットル）のPET（Polyethylene terephthalate）容器を思い浮かべるだろう。PETは品質保持能力が高く、丈夫でありながら軽量で美しく大変優れた材質である。現在、スーパーの調味料売り場では、本容器が圧倒的に多い。しかし、小ぶりな500ml製品の棚が増え、変わった形状の容器が並んでいるのに気づいている方もいるだろう。慣れ親しんだ1L容器だが、大きな曲り角に差し掛かっている。 　しょうゆ（濃口）は17％程度の塩分と多様な成分を含んでいる。一般的な微生物は死滅するため、腐敗することはない。ただし、開栓後は酸素を吸収し色が黒くなる。また、芳香は飛散し、味が悪くなるという課題が存在する。そのため、1ケ月程度で使い切ることをしょうゆ情報センターは推奨している。冷蔵庫で保管すれば、ある程度変化を遅らせることができる。 　しょうゆの出荷量は、減少の一途をたどっている。1970年代120万kl（キロリットル）あったが、2002年100万klを切り、2009年には90万klを下回った。家庭用の減少は、業務・加工用を上回る。家庭における1人当りの消費量（1ケ月）は、1970年代約440ml、2002年225ml、2009年190mlとなった（総務省「家計調査」）。平均世帯人員が3.11人（2009年）であれば、1ケ月の消費量は591mlになる。1Lという容量は、一般世帯で多すぎる時代になったと考える。 　家庭用の消費減少の原因について、以下を挙げることができる。 (1) 食の洋風化伸展 (2) 食の外部化率増加 (3) めんつゆ等の加工調味料増加 (4) 小袋しょうゆの添付増加 　品目別の食料消費量（表）をみると、米は減少し、油脂類と畜産物が増加している。これらを洋風化と捉えることができるだろう。惣菜や冷凍食品、弁当の利用といった食の外部化率は、1975年28.4％、2005年42.7％（食料・農業・農村白書H20年版）と増加している。めんつゆをしょうゆ代わりに煮物等の調理に利用することは一般的になっている。弁当類は小袋しょうゆが添付されているし、納豆も大半がたれ付の製品である。しょうゆの使用量が減少するはずである。 ○課題への対応 　2009年8月、開栓後の変化という課題を解決した製品がヤマサ醤油から発売された。「鮮度の一滴」シリーズである。注ぎ口に逆止弁を有するラミネート袋とディスペンサーを組合せたPID（Pouch in dispenser）容器を採用している。しょうゆを使用すると内側の袋はしぼむが、逆止弁があるため内部に空気が流入することはない。そのため、開栓後70日を経ても品質は保たれる。「空気に触れないしょうゆ」というテレビCMはインパクトがあった。発売後半年で累計出荷が100万本を突破し、500mlしょうゆ市場でトップレベルに躍り出たという。 　しょうゆ製品だけでなく、新容器を用いたポン酢しょうゆや塩分カットの昆布しょうゆ等の加工調味料を追加している。これらも、しょうゆ同様の課題が存在したのである。PIDは空気だけでなく、微生物も内部に侵入し難いという特徴も持っている。使用後は小さく丸めて廃棄できるという利点もある。 　業務用では、同様な容器がすでに市販されていた。BIB（Bag in box）と呼ばれる10Lや18L容器である。ダンボール箱の中に柔軟性のある樹脂製の袋が納めてある。コックから中味を出すが、PID同様空気は流入しない。これを家庭用として、シンプルな構造で実現したのである。賞味期間も従来のPETと同じ1.5年。薄い樹脂製の袋でこれを実現したことも関係者の大変な努力があったに違いない。2011年、新容器の開発は日本醤油技術賞（応用の部）を受賞。また、公益財団法人日本デザイン振興会の「グッドデザイン賞」も受賞している。 　ヤマサ醤油のPID製品発売と時を同じくして、キッコーマンは750mlPET容器のしょうゆを新発売した。1Lサイズの課題に対応するため、少容量化に舵を切ったのである。750mlという容量は中途半端な感があるが、以下のような利点に気がつく。 (1) 使い切るまでの時間を短くできる。 (2) １L容器に比べ、丈が少し低くなっただけなので、スーパーの1LPETの棚を維持できる。 (3) 売価を下げられる。 　同時に500mlPET容器のリニューアルを行い、軽量化した新容器に切り替えを行った。それでもスーパーの棚の製品を置き換えるにはずいぶん時間がかかったようだ。「しょうゆは1L」という固定観念がバイヤーにあったのではないだろうか。筆者が気づいたのは、2011年になってからのことである。 　2010年9月、キッコーマンも「いつでも新鮮シリーズ」でヤマサ醤油に追随する。PIDと同様の仕組みを持つ容器だが、開封後90日新鮮さを保つと謳っている。倒してもこぼれることなく、横置きも可能なキャップ付である。興味深いのは、中味を通常のしょうゆ（火入）ではなくサイドメニューの生しょうゆを主体にしていることである。同じ中味でPET容器と新容器を併売すると、PET容器の欠点が目立つためではないかと推測している。 ○新容器の感想 　筆者はヤマサ醤油とキッコーマン両社の新容器（500ml）を使ってみた。従来の容器に比べ、柔らかく偏平な形状のため頼りない感じがある。持ち方と注ぎ方にコツが必要だが、すぐ慣れる。最後まできれいな赤い色で使い切れるのは衝撃で、素晴らしい容器だと思う。難点を指摘すれば、食卓に置いてしょうゆさしとして使うにはやや大きすぎる。また、料理に使おうとすると、液の出方がゆっくりでもどかしい。 　卓上のしょうゆさしとしては、両社から出ている200ml製品が適している。これと料理用に500mlPET製品を併用するのが、ひとつの使い方だろう。家庭によって、しょうゆの使い方は多様であるに違いない。選択肢が増えたのはよいことで、それぞれの事情に適した使い方を工夫できる。なお、色が黒くなったしょうゆはつけ・かけ用には適さないが、煮物等の料理に使うと欠点が目立たなくなる。 　消費者にしょうゆの品質について話す機会がある。そんな時、しょうゆが残り少なくなった時点で、新しいものとの比較をすすめている。新旧のしょうゆを2枚の白い皿に注いで品質を比べるのである。たとえ、開栓後1ケ月以内であっても相当な差が生じているだろう。色は一目で分かり、香りや味にも違いを感じるかもしれない。 　しょうゆ醸造に携わってきた技術者として、きれいな赤い色のおいしいしょうゆを常時使っていただきたいと考えてきた。新容器の出現で、それが実現されたのである。 &#8230; <a href="http://www.foocom.net/column/contrib/5981/">続きを読む <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>○はじめに</strong></p>
<p><a href="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2012/03/yokoyama.jpg"><img src="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2012/03/yokoyama.jpg" alt="Yokoyama" title="Yokoyama" width="140" height="200" class="alignleft size-full wp-image-5984" /></a>　しょうゆの最大の生産地は千葉県である。大消費地となった江戸へ供給するために、江戸時代初期から発展してきた。醸造と水運の適地だった野田市にトップメーカーのキッコーマン、同様な銚子市に2番手ヤマサ醤油と3番手ヒゲタ醤油がある。これに続くのが兵庫県で、たつの市に4番手ヒガシマル醤油が工場を構える。通常の濃口（こいくち）しょうゆより色がうすい淡口（うすくち）しょうゆの生産が多い。香川県の小豆島には5番手マルキン忠勇がある。以上がしょうゆ大手5社で、全国シェアのほぼ5割を占めている。</p>
<p>　筆者はヒゲタ醤油に長く勤務し、技術部門を中心に研究開発、品質保証、マーケティング等に従事した。定年後の2010年、技術士事務所を開設し現在に至る。しょうゆの品質について、技術者としての思い入れがある。今回は、しょうゆの家庭用市場に起きている変化について紹介したい。</p>
<p><strong>○しょうゆ出荷量の減少</strong></p>
<p>　家庭用のしょうゆといえば、どなたも1L（リットル）のPET（Polyethylene terephthalate）容器を思い浮かべるだろう。PETは品質保持能力が高く、丈夫でありながら軽量で美しく大変優れた材質である。現在、スーパーの調味料売り場では、本容器が圧倒的に多い。しかし、小ぶりな500ml製品の棚が増え、変わった形状の容器が並んでいるのに気づいている方もいるだろう。慣れ親しんだ1L容器だが、大きな曲り角に差し掛かっている。</p>
<p>　しょうゆ（濃口）は17％程度の塩分と多様な成分を含んでいる。一般的な微生物は死滅するため、腐敗することはない。ただし、開栓後は酸素を吸収し色が黒くなる。また、芳香は飛散し、味が悪くなるという課題が存在する。そのため、1ケ月程度で使い切ることを<a href="http://www.soysauce.or.jp/" target="_blank">しょうゆ情報センター</a>は推奨している。冷蔵庫で保管すれば、ある程度変化を遅らせることができる。</p>
<p>　しょうゆの出荷量は、減少の一途をたどっている。1970年代120万kl（キロリットル）あったが、2002年100万klを切り、2009年には90万klを下回った。家庭用の減少は、業務・加工用を上回る。家庭における1人当りの消費量（1ケ月）は、1970年代約440ml、2002年225ml、2009年190mlとなった（総務省「家計調査」）。平均世帯人員が3.11人（2009年）であれば、1ケ月の消費量は591mlになる。1Lという容量は、一般世帯で多すぎる時代になったと考える。</p>
<p>　家庭用の消費減少の原因について、以下を挙げることができる。<br />
(1)	食の洋風化伸展<br />
(2)	食の外部化率増加<br />
(3)	めんつゆ等の加工調味料増加<br />
(4)	小袋しょうゆの添付増加</p>
<p>　品目別の食料消費量（表）をみると、米は減少し、油脂類と畜産物が増加している。<a href="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2012/03/food1.jpg"><img src="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2012/03/food1.jpg" alt="food" title="food" width="200" height="133" class="alignright size-full wp-image-5986" /></a>これらを洋風化と捉えることができるだろう。惣菜や冷凍食品、弁当の利用といった食の外部化率は、1975年28.4％、2005年42.7％（食料・農業・農村白書H20年版）と増加している。めんつゆをしょうゆ代わりに煮物等の調理に利用することは一般的になっている。弁当類は小袋しょうゆが添付されているし、納豆も大半がたれ付の製品である。しょうゆの使用量が減少するはずである。</p>
<p><strong>○課題への対応</strong></p>
<p>　2009年8月、開栓後の変化という課題を解決した製品がヤマサ醤油から発売された。「鮮度の一滴」シリーズである。注ぎ口に逆止弁を有するラミネート袋とディスペンサーを組合せたPID（Pouch in dispenser）容器を採用している。しょうゆを使用すると内側の袋はしぼむが、逆止弁があるため内部に空気が流入することはない。そのため、開栓後70日を経ても品質は保たれる。「空気に触れないしょうゆ」というテレビCMはインパクトがあった。発売後半年で累計出荷が100万本を突破し、500mlしょうゆ市場でトップレベルに躍り出たという。</p>
<p>　しょうゆ製品だけでなく、新容器を用いたポン酢しょうゆや塩分カットの昆布しょうゆ等の加工調味料を追加している。これらも、しょうゆ同様の課題が存在したのである。PIDは空気だけでなく、微生物も内部に侵入し難いという特徴も持っている。使用後は小さく丸めて廃棄できるという利点もある。</p>
<p>　業務用では、同様な容器がすでに市販されていた。BIB（Bag in box）と呼ばれる10Lや18L容器である。ダンボール箱の中に柔軟性のある樹脂製の袋が納めてある。コックから中味を出すが、PID同様空気は流入しない。これを家庭用として、シンプルな構造で実現したのである。賞味期間も従来のPETと同じ1.5年。薄い樹脂製の袋でこれを実現したことも関係者の大変な努力があったに違いない。2011年、新容器の開発は日本醤油技術賞（応用の部）を受賞。また、公益財団法人日本デザイン振興会の「グッドデザイン賞」も受賞している。</p>
<p>　ヤマサ醤油のPID製品発売と時を同じくして、キッコーマンは750mlPET容器のしょうゆを新発売した。1Lサイズの課題に対応するため、少容量化に舵を切ったのである。750mlという容量は中途半端な感があるが、以下のような利点に気がつく。<br />
(1)	使い切るまでの時間を短くできる。<br />
(2)	１L容器に比べ、丈が少し低くなっただけなので、スーパーの1LPETの棚を維持できる。<br />
(3)	売価を下げられる。</p>
<p>　同時に500mlPET容器のリニューアルを行い、軽量化した新容器に切り替えを行った。それでもスーパーの棚の製品を置き換えるにはずいぶん時間がかかったようだ。「しょうゆは1L」という固定観念がバイヤーにあったのではないだろうか。筆者が気づいたのは、2011年になってからのことである。</p>
<p>　2010年9月、キッコーマンも「いつでも新鮮シリーズ」でヤマサ醤油に追随する。PIDと同様の仕組みを持つ容器だが、開封後90日新鮮さを保つと謳っている。倒してもこぼれることなく、横置きも可能なキャップ付である。興味深いのは、中味を通常のしょうゆ（火入）ではなくサイドメニューの生しょうゆを主体にしていることである。同じ中味でPET容器と新容器を併売すると、PET容器の欠点が目立つためではないかと推測している。</p>
<p><strong>○新容器の感想</strong></p>
<p>　筆者はヤマサ醤油とキッコーマン両社の新容器（500ml）を使ってみた。従来の容器に比べ、柔らかく偏平な形状のため頼りない感じがある。持ち方と注ぎ方にコツが必要だが、すぐ慣れる。最後まできれいな赤い色で使い切れるのは衝撃で、素晴らしい容器だと思う。難点を指摘すれば、食卓に置いてしょうゆさしとして使うにはやや大きすぎる。また、料理に使おうとすると、液の出方がゆっくりでもどかしい。</p>
<p>　卓上のしょうゆさしとしては、両社から出ている200ml製品が適している。これと料理用に500mlPET製品を併用するのが、ひとつの使い方だろう。家庭によって、しょうゆの使い方は多様であるに違いない。選択肢が増えたのはよいことで、それぞれの事情に適した使い方を工夫できる。なお、色が黒くなったしょうゆはつけ・かけ用には適さないが、煮物等の料理に使うと欠点が目立たなくなる。</p>
<p>　消費者にしょうゆの品質について話す機会がある。そんな時、しょうゆが残り少なくなった時点で、新しいものとの比較をすすめている。新旧のしょうゆを2枚の白い皿に注いで品質を比べるのである。たとえ、開栓後1ケ月以内であっても相当な差が生じているだろう。色は一目で分かり、香りや味にも違いを感じるかもしれない。<br />
　しょうゆ醸造に携わってきた技術者として、きれいな赤い色のおいしいしょうゆを常時使っていただきたいと考えてきた。新容器の出現で、それが実現されたのである。</p>
<p><strong>○著者</strong><br />
横山 勉（よこやま つとむ）さん<br />
横山技術士事務所 所長</p>
<p>元ヒゲタしょうゆ品質保証室長、2010年独立。日経BP社「FoodScience」に食品技術士Yとして執筆。<a href="http://blogs.yahoo.co.jp/teckno555" target="_blank">ブログ「食品技術士Y『ちょいワク食ノート』」</a>を執筆中。</p>
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		<title>「出荷禁止」を守らなかった農家は、責められて当然か？（久松達央さん）</title>
		<link>http://www.foocom.net/column/contrib/4102/</link>
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		<pubDate>Thu, 12 May 2011 04:38:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>　　　</dc:creator>
				<category><![CDATA[投稿コーナー]]></category>

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		<description><![CDATA[　本欄では、食をめぐるさまざまな議論を活発化させるため、多様な意見を掲載します。投稿内容は筆者の責任に基づくもので、事務局とは意見が一致しない場合もあります。 ……………………………………………………………………………………………… 　私は茨城県土浦市で有機農業を営んでいる。現在は約3haの畑で年間50種類ほどの露地野菜を栽培し，消費者の方や飲食店様に直接販売している。この度の原発事故で茨城の農家は大きな影響を被ったが，私もその例外ではなく，3月後半だけで約3割の定期購入顧客を失う結果となった。 ● 出荷制限の経緯 　さて，原発事故に伴う出荷自粛の対象となっていたほうれん草を卸売市場に出荷していた千葉県の農家に非難が集まった。厚生労働省は「極めて遺憾で，消費者の信頼を裏切る行為だ。」としており，メディアも「出荷禁止のルールを守らなかった農家」という厳しい論調だ。しかし，この「ルール」の正当性，つまりどのような法的根拠に基づくどのような行政措置なのか，が人々に正しく理解されているとは思えない。後述するように，今回出荷を自粛した農家は，自治体の「お願い」に応じて自主的に出荷を控えたにすぎないのだ。事態が落ち着いた今，改めて茨城県の動きを例に一連の出荷制限騒ぎを整理してみようと思う。 （１）3/17厚生労働省の通達によって，食品に含まれる放射能の暫定規制値が設けられ，この基準を超える食品は食品衛生法（以下 食衛法）第6条第2号に当たるものとして『食用に供されることがないよう十分処置され』ることになった。 （２）3/19 茨城県は，福島県に近い県北地域のほうれん草から暫定規制値を超える放射性物質が検出されたと発表。県全域に対して，『安全が確認されるまでホウレンソウの出荷・販売の自粛をお願い』した。 → この自粛要請は予防的な観点から県の独自の判断で行われたもので，根拠となる法はない。細かいことだが、茨城県は農地から採取した農産物の検査結果を基に自粛要請を行った。食品衛生法の第６条は販売が前提となっており、農地に栽培されている段階の農産物は対象外。したがって、食品衛生法を適用できない、というのが県の解釈だ。 （３） 3/21政府は茨城県に対し，原子力災害対策特別措置法（以下 原災法）第20条第3項に基づき，ホウレンソウ，カキナについて『当分の間，出荷を控えるよう関係事業者に要請すること』と指示。 → ここで規制は国の枠組みに移行する。実際に県が市町村や農協に対して出した指示は，原子力災害対策本部長 菅直人名での『当分の間，出荷を控えるよう』という文面そのままである。 （４）翌週にかけて，この問題が大きく報道される。全国的に北関東産の野菜の買い控えや業者の引き取り拒否が相次ぎ，市場では相場を大きく下げる。 （５）4/4　政府が出荷制限解除の考え方を決定 4/17に県内のすべての品目の出荷制限が解除される。 ● 実態は、出荷禁止ではなく自粛お願い 　消費者から見ると，何か強い規制が敷かれたように感じていたかもしれないが，実際に生産者に対して行われたのは一貫して「出荷を控えるようお願い」＝出荷自粛要請でしかない。国の枠組みに移行した3/21移行も，原災法を持ち出して「政府もコミットしていますよ」というメッセージを送ったに過ぎず，出荷規制そのもののは3/19の自粛要請と何ら変わりはない。農業者である私自身，3月の一時期にほうれん草やかき菜の出荷を控えたが，あくまでも自主的な判断である。そもそも私は農協系統に属していないため，行政から具体的な要請や通知は何もない。3月末からは自分の判断と責任で出荷を再開し，お客様にお届けした。規制の実態として「禁止」や「停止」とは程遠い事がご理解いただけると思う。 ● 国と自治体の温度差 　問題の一つは，政府と地方自治体の温度差にある。厚労省はこの一連の出荷規制措置を「出荷制限」と呼んでいる。農水省も官邸もこれにならって初めはこの用語を使っていたが，問題が大きくなるにつれ，きちっと対応していますとアピールしたいためか言葉が強くなっていく。「出荷規制」「出荷停止」「出荷禁止」。これらはいずれも食衛法上根拠のないただの言葉であり，切れない刀に過ぎない。 　厚労省も農水省も自治体に指示を出しただけで，実際の規制がどんな形で行われるのか，法解釈はどうなるのか，について十分な検討をしていない事が明白である。法律家である枝野官房長官もこの事を十分に理解しているとは思えない。一方で茨城県や市町村は現場を知っているせいか自粛要請の実態をよく理解している。知事会見でも，法的な根拠のない「出荷禁止」などの言葉は一切出てこない。 ● メディアの勉強不足も混乱招く 　もう一つの問題は，伝えるメディアの勉強不足だ。いくつかの新聞社に話を聞いたところ，根拠法までは調べていない，実際の規制がどうなっているのかまでは調べていないとの回答だった。これだけ大きな混乱を消費者に与え，多くの農家に経済的な損害を与えている報道の当事者が，法的な背景を調べていないというのはあまりにお粗末ではないだろうか。 　私が話を伺った県や市の複数の関係者は全員が，政治家の発表や報道の強い言葉遣いに「違和感がある」と話していた。規制として法的な根拠も実効性も弱い事は，現場に近い自治体関係者や農業者は最初から分かっていた。しかし政治家の発表も報道も，あたかも強い規制が敷かれているような印象を与えていた点が問題である。だから冒頭で述べたような，ルール破り農家への批判が巻き起こる。政治家とメディアの理解不足・検討不足は，混乱を大きくして風評被害を拡大させたと言えないだろうか。 　私のように，農協に所属しない生産者は増え続けている。市場に出回らない，つまり消費者がそれとは知らずに該当する農産物にアクセスしてしまう危険を完全に排除したいなら，現行の規制では不十分である。私は、自分の農作物をどのように判断したらよいのか分からず、県や市の農業担当部局や保健所等に電話をかけ尋ね続けた。しかし、そのようなことをしない独立系の生産者には情報がどこからも入ってこない。自治体の「お願い」も伝わってこない。情報源であるメディアの報道は事実を正しく伝えていない。 　規制の実態を政府もメディアも把握できていない状況で、判断を農業者や流通業者に押し付け消費者に「市場には出回っていません」とウソを言うのは、無責任である]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　本欄では、食をめぐるさまざまな議論を活発化させるため、多様な意見を掲載します。投稿内容は筆者の責任に基づくもので、事務局とは意見が一致しない場合もあります。<br />
………………………………………………………………………………………………</p>
<div id="attachment_4105" class="wp-caption alignleft" style="width: 160px"><a href="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/05/hisamatsu.jpg"><img class="size-full wp-image-4105" title="hisamatsu" src="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/05/hisamatsu.jpg" alt="hisamatsu" width="150" height="200" /></a><p class="wp-caption-text">久松達央さん</p></div>
<p>　私は茨城県土浦市で有機農業を営んでいる。現在は約3haの畑で年間50種類ほどの露地野菜を栽培し，消費者の方や飲食店様に直接販売している。この度の原発事故で茨城の農家は大きな影響を被ったが，私もその例外ではなく，3月後半だけで約3割の定期購入顧客を失う結果となった。</p>
<p><strong>● 出荷制限の経緯</strong></p>
<p>　さて，原発事故に伴う出荷自粛の対象となっていたほうれん草を卸売市場に出荷していた千葉県の農家に非難が集まった。厚生労働省は「極めて遺憾で，消費者の信頼を裏切る行為だ。」としており，メディアも「出荷禁止のルールを守らなかった農家」という厳しい論調だ。しかし，この「ルール」の正当性，つまりどのような法的根拠に基づくどのような行政措置なのか，が人々に正しく理解されているとは思えない。後述するように，今回出荷を自粛した農家は，自治体の「お願い」に応じて自主的に出荷を控えたにすぎないのだ。事態が落ち着いた今，改めて茨城県の動きを例に一連の出荷制限騒ぎを整理してみようと思う。</p>
<p>（１）3/17<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf">厚生労働省の通達</a>によって，食品に含まれる放射能の暫定規制値が設けられ，この基準を超える食品は食品衛生法（以下 食衛法）第6条第2号に当たるものとして『食用に供されることがないよう十分処置され』ることになった。</p>
<p>（２）3/19 <a href="http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/nousanbutsu/20110319_17/index.html" target="_blank">茨城県は，福島県に近い県北地域のほうれん草から暫定規制値を超える放射性物質が検出されたと発表</a>。県全域に対して，『安全が確認されるまでホウレンソウの出荷・販売の自粛をお願い』した。</p>
<p style="padding-left: 60px;">→ この自粛要請は予防的な観点から県の独自の判断で行われたもので，根拠となる法はない。細かいことだが、茨城県は農地から採取した農産物の検査結果を基に自粛要請を行った。食品衛生法の第６条は販売が前提となっており、農地に栽培されている段階の農産物は対象外。したがって、食品衛生法を適用できない、というのが県の解釈だ。</p>
<p>（３） 3/21政府は茨城県に対し，原子力災害対策特別措置法（以下 原災法）第20条第3項に基づき，<a href="http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/nousanbutsu/20110321/index.html" target="_blank">ホウレンソウ，カキナについて『当分の間，出荷を控えるよう関係事業者に要請すること』と指示</a>。</p>
<p style="padding-left: 60px;">→ ここで規制は国の枠組みに移行する。実際に県が市町村や農協に対して出した指示は，原子力災害対策本部長 菅直人名での『当分の間，出荷を控えるよう』という文面そのままである。</p>
<p>（４）翌週にかけて，この問題が大きく報道される。全国的に北関東産の野菜の買い控えや業者の引き取り拒否が相次ぎ，市場では相場を大きく下げる。</p>
<p>（５）4/4　政府が<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017tmu-att/2r98520000017ts1.pdf" target="_blank">出荷制限解除の考え方を決定</a> 4/17に県内のすべての品目の出荷制限が解除される。</p>
<p><strong>● 実態は、出荷禁止ではなく自粛お願い</strong></p>
<p>　消費者から見ると，何か強い規制が敷かれたように感じていたかもしれないが，実際に生産者に対して行われたのは一貫して「出荷を控えるようお願い」＝出荷自粛要請でしかない。国の枠組みに移行した3/21移行も，原災法を持ち出して「政府もコミットしていますよ」というメッセージを送ったに過ぎず，出荷規制そのもののは3/19の自粛要請と何ら変わりはない。農業者である私自身，3月の一時期にほうれん草やかき菜の出荷を控えたが，あくまでも自主的な判断である。そもそも私は農協系統に属していないため，行政から具体的な要請や通知は何もない。3月末からは自分の判断と責任で出荷を再開し，お客様にお届けした。規制の実態として「禁止」や「停止」とは程遠い事がご理解いただけると思う。</p>
<p><strong>● 国と自治体の温度差</strong></p>
<p>　問題の一つは，政府と地方自治体の温度差にある。厚労省はこの一連の出荷規制措置を「出荷制限」と呼んでいる。農水省も官邸もこれにならって初めはこの用語を使っていたが，問題が大きくなるにつれ，きちっと対応していますとアピールしたいためか言葉が強くなっていく。「出荷規制」「出荷停止」「出荷禁止」。これらはいずれも食衛法上根拠のないただの言葉であり，切れない刀に過ぎない。</p>
<p>　厚労省も農水省も自治体に指示を出しただけで，実際の規制がどんな形で行われるのか，法解釈はどうなるのか，について十分な検討をしていない事が明白である。法律家である枝野官房長官もこの事を十分に理解しているとは思えない。一方で茨城県や市町村は現場を知っているせいか自粛要請の実態をよく理解している。知事会見でも，法的な根拠のない「出荷禁止」などの言葉は一切出てこない。</p>
<p><strong>● メディアの勉強不足も混乱招く</strong></p>
<p>　もう一つの問題は，伝えるメディアの勉強不足だ。いくつかの新聞社に話を聞いたところ，根拠法までは調べていない，実際の規制がどうなっているのかまでは調べていないとの回答だった。これだけ大きな混乱を消費者に与え，多くの農家に経済的な損害を与えている報道の当事者が，法的な背景を調べていないというのはあまりにお粗末ではないだろうか。</p>
<p>　私が話を伺った県や市の複数の関係者は全員が，政治家の発表や報道の強い言葉遣いに「違和感がある」と話していた。規制として法的な根拠も実効性も弱い事は，現場に近い自治体関係者や農業者は最初から分かっていた。しかし政治家の発表も報道も，あたかも強い規制が敷かれているような印象を与えていた点が問題である。だから冒頭で述べたような，ルール破り農家への批判が巻き起こる。政治家とメディアの理解不足・検討不足は，混乱を大きくして風評被害を拡大させたと言えないだろうか。</p>
<p>　私のように，農協に所属しない生産者は増え続けている。市場に出回らない，つまり消費者がそれとは知らずに該当する農産物にアクセスしてしまう危険を完全に排除したいなら，現行の規制では不十分である。私は、自分の農作物をどのように判断したらよいのか分からず、県や市の農業担当部局や保健所等に電話をかけ尋ね続けた。しかし、そのようなことをしない独立系の生産者には情報がどこからも入ってこない。自治体の「お願い」も伝わってこない。情報源であるメディアの報道は事実を正しく伝えていない。</p>
<p>　規制の実態を政府もメディアも把握できていない状況で、判断を農業者や流通業者に押し付け消費者に「市場には出回っていません」とウソを言うのは、無責任である</p>
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		<title>消費者も試されている（伊藤潤子）</title>
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		<pubDate>Wed, 30 Mar 2011 02:54:58 +0000</pubDate>
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				<category><![CDATA[投稿コーナー]]></category>

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		<description><![CDATA[今回の東日本を襲った震災の被害の大きさに言葉もない。私は16年前、明石市で阪神・淡路大震災を経験した。その時、離れた地の人々が「それぞれの立場で応援してくれている」ことを知り、心強かったことを覚えている。立場の変わった今、私たちに格別のことはできないが、些細なことを言い立てることなく現地の人々に思いを寄せて、できることを探しながら日々の生活をしたいと思った。 だが、今回は震災に加えてもう一つ、大きな災害影響がある。野菜、牛乳、水道水から規制値を超える放射能が検出され、原子力発電所事故は憂慮すべき状況と伝えられている。そんな状況にあって、政治は23年度予算がやっと通過したようだが、もたもた感が否めない。原発事故の深刻さが一層の不透明感を深めていることに間違いないが、それを割り引いても、もどかしさを感じるのはなぜだろうか。 政権公約として「高速道路の無料化」「子供手当の上乗せ」など中止する事に躊躇するその姿勢が全てを物語っているように思う。このような緊急の事態での政策の転換に異議を唱える消費者などごく少数だ。野党に何と言われようと「中止して○○円を震災被害の復興に回させてほしい」と率直に語りかけることが政府の姿勢を見せる最も強い訴えではないか。具体的な諸対策も優先順位を明らかにして、専門家の意見を聞くべきものは耳を傾け「善し」と判断することは批判を覚悟して断行することだ。それが政治的判断というものではないか。国民は、顔色を見られることを望んではいない。政権として選んだのだから多少の考えの違いはあっても「責任もってやってほしい」と思っている。また、政治的判断を持ち込むことなく間違いは率直に早急に改めるべきだ。求めるのは明確な判断と率直な説明、そして責任を負うという姿勢だ。 同時に、関係者もこの際自らの行動を見直したい。市場で被災地の野菜の卸値が暴落しているという。小売業者、量販店が買い渋っている。「消費者が、嫌がる」が理由だ。勝手に消費者を持ち出さないでほしい。嫌がっているのは、直接の当事者であるあなたでしょう、と言いたい。販売者の売り方に工夫があれば、十分売れるのではないか。販売者として今協力できるのは、まさにこのことではないだろうか。被災地の野菜を買おうという声は、あちこちで上がっている。買うことで支援したいというのだ。そんな趣旨のネット販売があったが、申し込み殺到で販売中止と聞く。従来の仕事の仕方をそのまま続けるのではなく、今一度立ち止まって考え、変えてみることも大切ではないか。 一方、被災地から離れた私の住まいする地では、「水」が店頭から消えている。広島の友人も同様の状況だという。とても悲しいことだ。一本余分に、親類に送ろうという軽い考えなのだろうが、全体的に見るとどれだけの迷惑をかけることになるのかを反省しなければならないだろう。こんな事を続ける限り、「やっぱり消費者は・・・」という評価をされ続けることになる。商品の包装の表示を見て購入する消費者ばかりが賢い消費者ではない。自分の行動と全体との関係に思いをいたすことができる人が本当の賢い消費者ではないか。消費者同士で、物の取り合いなどしたくない。まず困っている人に譲るというのが団結の基本ではないだろうか。消費者が試されている時でもある。 伊藤潤子（生活協同組合コープこうべ参与、食の信頼向上をめざす会幹事）]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div id="attachment_2570" class="wp-caption alignleft" style="width: 94px"><a href="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/03/j_ito.jpg"><img class="size-full wp-image-2570" title="伊藤潤子さん" src="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/03/j_ito.jpg" alt="伊藤潤子さん" width="84" height="100" /></a><p class="wp-caption-text">伊藤潤子さん</p></div>
<p><span style="font-size: small;">今回の東日本を襲った震災の被害の大きさに言葉もない。私は16年前、明石市で阪神・淡路大震災を経験した。その時、離れた地の人々が「それぞれの立場で応援してくれている」ことを知り、心強かったことを覚えている。立場の変わった今、私たちに格別のことはできないが、些細なことを言い立てることなく現地の人々に思いを寄せて、できることを探しながら日々の生活をしたいと思った。</span></p>
<p><span style="font-size: small;">だが、今回は震災に加えてもう一つ、大きな災害影響がある。野菜、牛乳、水道水から規制値を超える放射能が検出され、原子力発電所事故は憂慮すべき状況と伝えられている。そんな状況にあって、政治は23年度予算がやっと通過したようだが、もたもた感が否めない。原発事故の深刻さが一層の不透明感を深めていることに間違いないが、それを割り引いても、もどかしさを感じるのはなぜだろうか。</span></p>
<p><span style="font-size: small;">政権公約として「高速道路の無料化」「子供手当の上乗せ」など中止する事に躊躇するその姿勢が全てを物語っているように思う。このような緊急の事態での政策の転換に異議を唱える消費者などごく少数だ。野党に何と言われようと「中止して○○円を震災被害の復興に回させてほしい」と率直に語りかけることが政府の姿勢を見せる最も強い訴えではないか。具体的な諸対策も優先順位を明らかにして、専門家の意見を聞くべきものは耳を傾け「善し」と判断することは批判を覚悟して断行することだ。それが政治的判断というものではないか。国民は、顔色を見られることを望んではいない。政権として選んだのだから多少の考えの違いはあっても「責任もってやってほしい」と思っている。また、政治的判断を持ち込むことなく間違いは率直に早急に改めるべきだ。求めるのは明確な判断と率直な説明、そして責任を負うという姿勢だ。</span></p>
<p><span style="font-size: small;">同時に、関係者もこの際自らの行動を見直したい。市場で被災地の野菜の卸値が暴落しているという。小売業者、量販店が買い渋っている。「消費者が、嫌がる」が理由だ。勝手に消費者を持ち出さないでほしい。嫌がっているのは、直接の当事者であるあなたでしょう、と言いたい。販売者の売り方に工夫があれば、十分売れるのではないか。販売者として今協力できるのは、まさにこのことではないだろうか。被災地の野菜を買おうという声は、あちこちで上がっている。買うことで支援したいというのだ。そんな趣旨のネット販売があったが、申し込み殺到で販売中止と聞く。従来の仕事の仕方をそのまま続けるのではなく、今一度立ち止まって考え、変えてみることも大切ではないか。</span></p>
<p><span style="font-size: small;">一方、被災地から離れた私の住まいする地では、「水」が店頭から消えている。広島の友人も同様の状況だという。とても悲しいことだ。一本余分に、親類に送ろうという軽い考えなのだろうが、全体的に見るとどれだけの迷惑をかけることになるのかを反省しなければならないだろう。こんな事を続ける限り、「やっぱり消費者は・・・」という評価をされ続けることになる。商品の包装の表示を見て購入する消費者ばかりが賢い消費者ではない。自分の行動と全体との関係に思いをいたすことができる人が本当の賢い消費者ではないか。消費者同士で、物の取り合いなどしたくない。まず困っている人に譲るというのが団結の基本ではないだろうか。消費者が試されている時でもある。</span></p>
<p><span style="font-size: small;">伊藤潤子（生活協同組合コープこうべ参与、食の信頼向上をめざす会幹事）</span></p>
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