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	<title>FOOCOM.NET &#187; 食品衛生監視員の目</title>
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	<description>科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体</description>
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		<title>ユッケ食中毒事件が発生して１年－まだ食肉の生食の危険性を認識していない人がいる―</title>
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		<pubDate>Thu, 03 May 2012 14:44:56 +0000</pubDate>
		<dc:creator>笈川 和男</dc:creator>
				<category><![CDATA[食品衛生監視員の目]]></category>

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		<description><![CDATA[　2011年（昨年）4月下旬から5月上旬にかけて、富山県を中心に、5人もの死亡者を出したユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒事件が発生してから１年経過した。そこで、この事件を振り返り、この事件が残した問題点、今後の課題等を述べる。 　先ず2012年3月19日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会に提出された厚生労働省からの資料を参考に、事件の概要を述べる。石川県に本部があった焼肉系列店の富山県３店、石川県、福井県、神奈川県の各１店、併せて６店で発生した。患者数は181人と、決して患者数が多い事件ではないが死亡者が5人と、健康人が感染発症した食中毒事件で死亡者が5人発生したのは、1984年に熊本県で発生した辛子蓮根によるボツリヌス食中毒（疑似を含め11人死亡）以来である。 １． 発生年月日　2011年4月19日から5月5日 ２．発生店舗　　同一焼肉系列店　富山県３店、石川県、福井県、神奈川県の各１店、計6店 ３．摂食者数　　不明　患者が摂食した期間4月16日から26日の６店の総利用者数は13,868人 ４．患者数　　　181人 ５．重症者（溶血性尿毒症症候群：ＨＵＳ、急性脳症）　32人 ６．死者数　　　５人（富山県４人、石川県1人）　男女比：男３人、女２人 ７．原因食品　　ユッケ ８．病因物質　　腸管出血性大腸菌O111及び腸管出血性大腸菌O157 　食材の汚染状況検査で、横浜市の店舗で残されていた未開封のユッケ用の牛肉からベロ毒素非産生性の大腸菌O111が検出されたが、他の食材や施設の拭き取り検査から有意な病原菌は不検出であった。患者37人から腸管出血性大腸菌O111が検出され、24人からベロ毒素非産生性の大腸菌O111が検出された。患者から検出したベロ毒素非産生性の大腸菌O111と、未開封のユッケ用肉から検出した菌の遺伝子パターンが一致した。このことから、原因食品をユッケと判断された。 　汚染経路に関して、未開封のユッケ用肉から大腸菌O111が検出され、北陸方面と神奈川県内の店舗で同時期に患者が発生しており、ユッケ用肉と患者からの菌株の遺伝子パターンが一致していることなどから、焼肉系列店へ納入される前の段階で病因物質に汚染されていたと推定された。焼肉系列店20店舗のうち、患者の発生は一部の店舗に限られており、食肉卸売（処理）業者における拭き取り検査や食材の検査等から病因物質が検出されず、その汚染経路は不明であった。 　病因物質に関して、患者の45％から大腸菌O111の感染が確認され、不安定なベロ毒素遺伝子を保有する腸管出血性大腸菌O111が存在していたことが示唆された。腸管出血性大腸菌O157が17％から検出された。しかし、重篤な症状を示す者は、いずれも大腸菌は不検出であった。その患者16人の血液抗体検査では全員からO111抗体が陽性であったが、O157抗体は陰性であった。このことから、主たる病因物質は腸管出血性大腸菌O111である可能性が高かった。 　事故発生の要因は、ある特定の原料肉が腸管出血性大腸菌O111などに汚染され、その原料肉が納品された店舗で、食中毒が発生したと推測され、納入されたユッケ用肉は生食用の表示が無かったものの焼肉系列店本部では、食肉卸業者で衛生的に処理されたものが納入されているものと判断していた。生食用食肉の衛生基準に基づいたトリミング等の処理は、ユッケ用に加工した食肉卸業者においても、焼肉系列店でも行われていなかった。ユッケ用の肉を出荷したと畜場では、生食用食肉の出荷実績がなく、食肉を取扱う各段階においての安全が確保されず、ユッケの提供が安易に行われていたことが、大きな要因と考えられた。 　私は、今回のユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒は起きるべきして起きた食中毒と考える。馬肉を除く生食用食肉は食肉店等で販売されていないのに、焼肉店ではユッケなどの生食が提供されていた。現役の頃、食肉の生食により腸管出血性大腸菌Ｏ157により食中毒が発生し、危険性が高いので、飲食店営業者に対し提供を止めるよう指導していた。食肉処理業においても同様な指導をしていた。飲食店対象の衛生講習会で危険性を説明し、注意喚起のチラシを配っても効果は見られなかった。食肉の生食提供に関して、禁止する法的な強制力がなかったためで、テレビのグルメ番組で「ここのユッケは美味しい」などと放送されると、提供する店舗は増える傾向があったと記憶している。今回の飲食店も事件発生の数か月前に同様のテレビ放送がされていた。 　この事件発生後、国の審議会で罰則を持った生食用食肉の厳しい規格基準の検討が始まると、牛肉の生食文化を壊すのかとの意見が新聞紙上に載った。しかし、我が国において鶏肉、馬肉を食べる食文化は狭い地域であったが、牛肉を生食する食文化はなかったと考える。昨年10月から罰則を持った厳しい規格基準が施行され、多くの焼肉店からユッケが消えた。 　牛肝臓の中までカンピロバクター、腸管出血性大腸菌が汚染しているとの検査結果から、牛生レバー提供に関する検討が始まると、牛生肉提供のための規格基準検討の時と同様に反対の意見の報道が見られた。3月30日に開催された審議会において「牛肝臓を安全に生で喫食するための有効な予防対策が見出せないので、安全性を確保されるまでの間、生食用牛肝臓の販売を禁止し、食品衛生法に基づく規格基準を設定する手続きを進める」こととなった。 　現在、食中毒菌で一番患者数が多いのがカンピロバクターである。そして、腸管出血性大腸菌は極めて少量で感染するので、生肉を食べた後、非症状でも感染していて、その結果としての家庭内の二次感染もある。 　腸管出血性大腸菌O111による食中毒で、死亡者が出た事例は聞いたことはなく、今までの腸出血性大腸菌食中毒での重症のＨＵＳ発生率は患者全体の5％以下であるのに、今回は18％と極めて高い。今後の調査で原因は判明されると思うが、強力な遺伝子を獲得したのだと思う。 　牛肉の生食は、ほぼ規制の対象となり飲食店から消えたが、現役の食品衛生監視員に聞くと、「豚肉の生食は良いだろう」という危険性を認識していない飲食店営業者もいるとのこと。豚肉の生食も同様に危険であり、Ｅ型肝炎による死亡者が発生している。そして、鶏肉の生食によるカンピロバクター食中毒防止のための検討も必要であると考える。 　さいごに、読者の皆さんは食肉の生食は危険性が高いことを理解していただきたい。飲食店においては生食で提供する場合には「生食用」と表示してある食肉を扱っていただきたい。なお、飲食店において冷蔵のブロック肉を仕入れ、規格基準に合った加工をすれば「生食用」として調理提供できるが、加工には専用の設備を備えなくてはならなく、ほとんどの店舗では無理と考える。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　2011年（昨年）4月下旬から5月上旬にかけて、富山県を中心に、5人もの死亡者を出したユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒事件が発生してから１年経過した。そこで、この事件を振り返り、この事件が残した問題点、今後の課題等を述べる。</p>
<p>　先ず2012年3月19日の<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tz2.pdf" target="_blank">薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会に提出された厚生労働省からの資料</a>を参考に、事件の概要を述べる。石川県に本部があった焼肉系列店の富山県３店、石川県、福井県、神奈川県の各１店、併せて６店で発生した。患者数は181人と、決して患者数が多い事件ではないが死亡者が5人と、健康人が感染発症した食中毒事件で死亡者が5人発生したのは、1984年に熊本県で発生した辛子蓮根によるボツリヌス食中毒（疑似を含め11人死亡）以来である。</p>
<p>１． 発生年月日　2011年4月19日から5月5日</p>
<p>２．発生店舗　　同一焼肉系列店　富山県３店、石川県、福井県、神奈川県の各１店、計6店</p>
<p>３．摂食者数　　不明　患者が摂食した期間4月16日から26日の６店の総利用者数は13,868人</p>
<p>４．患者数　　　181人</p>
<p>５．重症者（溶血性尿毒症症候群：ＨＵＳ、急性脳症）　32人</p>
<p>６．死者数　　　５人（富山県４人、石川県1人）　男女比：男３人、女２人</p>
<p>７．原因食品　　ユッケ</p>
<p>８．病因物質　　腸管出血性大腸菌O111及び腸管出血性大腸菌O157</p>
<p>　食材の汚染状況検査で、横浜市の店舗で残されていた未開封のユッケ用の牛肉からベロ毒素非産生性の大腸菌O111が検出されたが、他の食材や施設の拭き取り検査から有意な病原菌は不検出であった。患者37人から腸管出血性大腸菌O111が検出され、24人からベロ毒素非産生性の大腸菌O111が検出された。患者から検出したベロ毒素非産生性の大腸菌O111と、未開封のユッケ用肉から検出した菌の遺伝子パターンが一致した。このことから、原因食品をユッケと判断された。</p>
<p>　汚染経路に関して、未開封のユッケ用肉から大腸菌O111が検出され、北陸方面と神奈川県内の店舗で同時期に患者が発生しており、ユッケ用肉と患者からの菌株の遺伝子パターンが一致していることなどから、焼肉系列店へ納入される前の段階で病因物質に汚染されていたと推定された。焼肉系列店20店舗のうち、患者の発生は一部の店舗に限られており、食肉卸売（処理）業者における拭き取り検査や食材の検査等から病因物質が検出されず、その汚染経路は不明であった。</p>
<p>　病因物質に関して、患者の45％から大腸菌O111の感染が確認され、不安定なベロ毒素遺伝子を保有する腸管出血性大腸菌O111が存在していたことが示唆された。腸管出血性大腸菌O157が17％から検出された。しかし、重篤な症状を示す者は、いずれも大腸菌は不検出であった。その患者16人の血液抗体検査では全員からO111抗体が陽性であったが、O157抗体は陰性であった。このことから、主たる病因物質は腸管出血性大腸菌O111である可能性が高かった。</p>
<p>　事故発生の要因は、ある特定の原料肉が腸管出血性大腸菌O111などに汚染され、その原料肉が納品された店舗で、食中毒が発生したと推測され、納入されたユッケ用肉は生食用の表示が無かったものの焼肉系列店本部では、食肉卸業者で衛生的に処理されたものが納入されているものと判断していた。生食用食肉の衛生基準に基づいたトリミング等の処理は、ユッケ用に加工した食肉卸業者においても、焼肉系列店でも行われていなかった。ユッケ用の肉を出荷したと畜場では、生食用食肉の出荷実績がなく、食肉を取扱う各段階においての安全が確保されず、ユッケの提供が安易に行われていたことが、大きな要因と考えられた。</p>
<p>　私は、今回のユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒は起きるべきして起きた食中毒と考える。馬肉を除く生食用食肉は食肉店等で販売されていないのに、焼肉店ではユッケなどの生食が提供されていた。現役の頃、食肉の生食により腸管出血性大腸菌Ｏ157により食中毒が発生し、危険性が高いので、飲食店営業者に対し提供を止めるよう指導していた。食肉処理業においても同様な指導をしていた。飲食店対象の衛生講習会で危険性を説明し、注意喚起のチラシを配っても効果は見られなかった。食肉の生食提供に関して、禁止する法的な強制力がなかったためで、テレビのグルメ番組で「ここのユッケは美味しい」などと放送されると、提供する店舗は増える傾向があったと記憶している。今回の飲食店も事件発生の数か月前に同様のテレビ放送がされていた。</p>
<p>　この事件発生後、国の審議会で罰則を持った生食用食肉の厳しい規格基準の検討が始まると、牛肉の生食文化を壊すのかとの意見が新聞紙上に載った。しかし、我が国において鶏肉、馬肉を食べる食文化は狭い地域であったが、牛肉を生食する食文化はなかったと考える。昨年10月から罰則を持った厳しい規格基準が施行され、多くの焼肉店からユッケが消えた。</p>
<p>　牛肝臓の中までカンピロバクター、腸管出血性大腸菌が汚染しているとの検査結果から、牛生レバー提供に関する検討が始まると、牛生肉提供のための規格基準検討の時と同様に反対の意見の報道が見られた。3月30日に開催された審議会において「牛肝臓を安全に生で喫食するための有効な予防対策が見出せないので、安全性を確保されるまでの間、生食用牛肝臓の販売を禁止し、食品衛生法に基づく規格基準を設定する手続きを進める」こととなった。</p>
<p>　現在、食中毒菌で一番患者数が多いのがカンピロバクターである。そして、腸管出血性大腸菌は極めて少量で感染するので、生肉を食べた後、非症状でも感染していて、その結果としての家庭内の二次感染もある。</p>
<p>　腸管出血性大腸菌O111による食中毒で、死亡者が出た事例は聞いたことはなく、今までの腸出血性大腸菌食中毒での重症のＨＵＳ発生率は患者全体の5％以下であるのに、今回は18％と極めて高い。今後の調査で原因は判明されると思うが、強力な遺伝子を獲得したのだと思う。</p>
<p>　牛肉の生食は、ほぼ規制の対象となり飲食店から消えたが、現役の食品衛生監視員に聞くと、「豚肉の生食は良いだろう」という危険性を認識していない飲食店営業者もいるとのこと。豚肉の生食も同様に危険であり、Ｅ型肝炎による死亡者が発生している。そして、鶏肉の生食によるカンピロバクター食中毒防止のための検討も必要であると考える。</p>
<p>　さいごに、読者の皆さんは食肉の生食は危険性が高いことを理解していただきたい。飲食店においては生食で提供する場合には「生食用」と表示してある食肉を扱っていただきたい。なお、飲食店において冷蔵のブロック肉を仕入れ、規格基準に合った加工をすれば「生食用」として調理提供できるが、加工には専用の設備を備えなくてはならなく、ほとんどの店舗では無理と考える。</p>
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		<title>なにも決まらない食品表示一元化検討会。企業に莫大な損害の恐れも</title>
		<link>http://www.foocom.net/column/hygiene/5969/</link>
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		<pubDate>Tue, 13 Mar 2012 15:28:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>笈川 和男</dc:creator>
				<category><![CDATA[食品衛生監視員の目]]></category>

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		<description><![CDATA[　食品衛生監視員として勤務していた20年位前、詳細は忘れたが、私たちが従前から指導していた食品衛生法の表示の規準と、後から定められたＪＡＳ法の表示が違っており製造業者指導に大変苦労したことがあった。その点、昨年9月から消費者庁で始まった食品衛生法、ＪＡＳ法、健康増進法の食品表示の一元化検討会は、各法律によりバラバラになっている部分を統一することは大変有意義であると考える。 　私は2011年11月から食品製造業A社の品質管理の手伝いをしており、A社の品質管理部門で表示も担当している。2010年から始まり、2012年夏から初秋に表示の全面変更を計画しており作業を進めている。2011年11月末に、「食品表示一元化検討会の中間報告が2012年1月だされることになっており、中間報告で大方の方向性が決まってくるので、それまで様子を見よう」と品質管理の皆様に提案した。しかし、去る2月21日の第6回の検討会を傍聴して、ほとんど決まってなくてガッカリした。 　決まっていることとは「容器包装の加工食品に関して食品衛生法、ＪＡＳ法、健康増進法の食品表示を一元化にする」だけであると言っても過言でない状況である。３月23日に「中間論点整理に関する意見交換会」が開催されるが、その資料は今まで議論した内容の羅列でしかなく、方向性が不明である。 　検討会において文字の大きさが議論されているが、個人的には、最初に文字の大きさを決めていただきたい。文字を大きくした場合には、表示面積が小さい商品において、記載内容が制限される。このような商品の場合には、最低限表示義務とする基本事項を決めていただきたい。このような場合には、原料原産地、栄養表示、調味料等の健康に影響が少ないと考えられる食品添加物などは除いても良いのではないか。 　原料原産地表示が議論されているが、経済的・経営的に表示が無理な商品がある。現職の頃、我が国を代表する大手漬物業の監視もしたが、その時の実状を思い出す。キュウリの漬物は、国内の原産地で塩漬けされたものが、製造工場に搬入され、刻み、塩抜きしてから、自社の調味液につけられ包装、消費者が購入する頃、ちょうどよい味となり、一年中同じ味が担保されるのである。 　この原材料であるが、冬、初春は南九州産、その後高知県などの四国、愛知県など中部、茨城県などの関東と少しずつ北へ上がり、真夏は北海道産を使っていた。県別表示をするとなると、包装資材を数十用意しておく必要があり、これは大手といえども無理である。「福神漬」は多くの野菜を使用するが、同様に多くの原産地の野菜を使用している。県別表示となった場合には、より多くの包装資材を用意しておく必要が出てくる。 　また、サンドイッチの場合には、キャベツ、トマト、レタスなどの野菜は納入業者に一括依頼しており、その日により産地が異なる。毎日、野菜の納品後、原産地を確認してから表示ラベルを作るのは、商品が１種類の場合にはできるかもしれないが、現実的には無理と考えられる。 　Ａ社は、検討会の方向性が不明のまま、今年計画している全商品の表示変更の作業を進めており、佳境に入っている。今後の検討会の成り行き次第であるが、変更できない方向に進んだ場合には、莫大な損害となる可能性がある。同様の食品製造業もあると考える。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　食品衛生監視員として勤務していた20年位前、詳細は忘れたが、私たちが従前から指導していた食品衛生法の表示の規準と、後から定められたＪＡＳ法の表示が違っており製造業者指導に大変苦労したことがあった。その点、昨年9月から消費者庁で始まった食品衛生法、ＪＡＳ法、健康増進法の食品表示の一元化検討会は、各法律によりバラバラになっている部分を統一することは大変有意義であると考える。</p>
<p>　私は2011年11月から食品製造業A社の品質管理の手伝いをしており、A社の品質管理部門で表示も担当している。2010年から始まり、2012年夏から初秋に表示の全面変更を計画しており作業を進めている。2011年11月末に、「食品表示一元化検討会の中間報告が2012年1月だされることになっており、中間報告で大方の方向性が決まってくるので、それまで様子を見よう」と品質管理の皆様に提案した。しかし、去る2月21日の第6回の検討会を傍聴して、ほとんど決まってなくてガッカリした。</p>
<p>　決まっていることとは「容器包装の加工食品に関して食品衛生法、ＪＡＳ法、健康増進法の食品表示を一元化にする」だけであると言っても過言でない状況である。３月23日に「中間論点整理に関する意見交換会」が開催されるが、その資料は今まで議論した内容の羅列でしかなく、方向性が不明である。</p>
<p>　検討会において文字の大きさが議論されているが、個人的には、最初に文字の大きさを決めていただきたい。文字を大きくした場合には、表示面積が小さい商品において、記載内容が制限される。このような商品の場合には、最低限表示義務とする基本事項を決めていただきたい。このような場合には、原料原産地、栄養表示、調味料等の健康に影響が少ないと考えられる食品添加物などは除いても良いのではないか。</p>
<p>　原料原産地表示が議論されているが、経済的・経営的に表示が無理な商品がある。現職の頃、我が国を代表する大手漬物業の監視もしたが、その時の実状を思い出す。キュウリの漬物は、国内の原産地で塩漬けされたものが、製造工場に搬入され、刻み、塩抜きしてから、自社の調味液につけられ包装、消費者が購入する頃、ちょうどよい味となり、一年中同じ味が担保されるのである。</p>
<p>　この原材料であるが、冬、初春は南九州産、その後高知県などの四国、愛知県など中部、茨城県などの関東と少しずつ北へ上がり、真夏は北海道産を使っていた。県別表示をするとなると、包装資材を数十用意しておく必要があり、これは大手といえども無理である。「福神漬」は多くの野菜を使用するが、同様に多くの原産地の野菜を使用している。県別表示となった場合には、より多くの包装資材を用意しておく必要が出てくる。</p>
<p>　また、サンドイッチの場合には、キャベツ、トマト、レタスなどの野菜は納入業者に一括依頼しており、その日により産地が異なる。毎日、野菜の納品後、原産地を確認してから表示ラベルを作るのは、商品が１種類の場合にはできるかもしれないが、現実的には無理と考えられる。</p>
<p>　Ａ社は、検討会の方向性が不明のまま、今年計画している全商品の表示変更の作業を進めており、佳境に入っている。今後の検討会の成り行き次第であるが、変更できない方向に進んだ場合には、莫大な損害となる可能性がある。同様の食品製造業もあると考える。</p>
]]></content:encoded>
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		<title>養鶏場の対策はどうなっているのか</title>
		<link>http://www.foocom.net/column/hygiene/3953/</link>
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		<pubDate>Sat, 30 Apr 2011 03:17:41 +0000</pubDate>
		<dc:creator>笈川 和男</dc:creator>
				<category><![CDATA[食品衛生監視員の目]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.foocom.net/?p=3953</guid>
		<description><![CDATA[　前回で「パック詰鶏卵」の表示に関して述べたが、今回は養鶏場の現状と対策を述べる。 ●原種鶏は輸入、ＳＥ対策としてワクチンを投与 　 　日本は原種鶏（卵を生産する鶏の二世代前、つまり祖父母）のほとんどを欧米（欧州の方が多い）から輸入している。理由は、品種改良されて多卵、耐病鶏であるから。輸入鶏（ヒナ）に関しては動物検疫においてロットごとに糞便検査をして、サルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）が検出されれば、水際で処分している。しかし、欧米の方がＳＥの感染率が高いうえ、全鶏の検査はできないので、ＳＥの感染を受けた原種鶏が輸入されていると考えられている。 　国内の、ほとんどの大規模養鶏場ではＳＥ対策用のワクチンを投与しているが、法的な規制は無いので、中小の養鶏場ではワクチン投与をしていないところもあると聞く。なお、養鶏場の衛生指導は家畜保健衛生所が行っている。 　 ●ＳＥ食中毒が発生したら 　保健所は、鶏卵が関係していると考えられる食中毒発生の際は、必ず残卵（使用した卵と同じ包装のもの）のＳＥ検査を実施する。しかし、汚染率は極めて低いので、ほとんど検出されない。私自身が関係した食中毒において、残卵からＳＥを検出したことは無い。鶏卵が原因あるいは原因と推定された場合には、ＧＰ（格付、包装）センターが所在する農政部局、他県の衛生担当部局へ調査を依頼するが、実際は農政部局がＧＰセンターの調査を行っている。理由は、鶏卵は農産物の一次産品であるからである。 　私自身が関係した食中毒において調査を依頼したことはあるが、回答は他から苦情相談が無いとのことで、食中毒の原因となった養鶏場の特定はできなかった。でも、このような情報で、ＧＰセンターが複数の養鶏場に注意喚起をしていると思い、少しは事故防止になっているものと考える。 　また、原因飲食店等に複数のＧＰセンターの鶏卵がある場合には、十分に対処できない場合もある。そして、自治体間でSEの遺伝子情報の交換も行っているが、全ての自治体で遺伝子検査ができる状況にはなっていない。 　私の経験から考えると、大手のＧＰセンターの場合、この量販店へ出荷したのはこの養鶏場であったと判明するが、中小のＧＰセンターの場合、集荷してくる養鶏場も小さく、一つの量販店へもいくつもの養鶏場の鶏卵を使用しているので、養鶏場の特定は難しい。 　なお、ＧＰセンターの指導は農政部局であるが、私は保健所管内に所在したＧＰセンターへは現状確認等で何回も伺っていた。 ●昨年の事例 　昨年、大分県で興味深い事例があった。12月30日の毎日新聞が「サルモネラ食中毒：県と大分市、情報共有なく被害拡大」と報じている。記事によれば、最初の食中毒は大分市内の飲食店で５月に発生したが、市は「原因が卵か飲食店の衛生管理かはっきりしない」として、養鶏場を指導する立場にある県に報告しなかった。７、８月に市内の飲食店でサルモネラ食中毒が発生し、いずれの場合も卵の調達先は複数だったものの、５月の食中毒で原因と疑われた養鶏場も含んでいたため、やっと９月、県に報告したという。 　記事は、7月に同県九重町のホテルでも高校生ら246人が発症し、同じ養鶏場の卵を使用していたことや、県大分家畜保健衛生所が調査し改善指導中だった10月にも、この養鶏場の卵を使った市内の病院で10人が発症していたことも伝えている。また、県の調査で飼育していた14,000羽のうち４分の1以上にサルモネラ感染暦があることを確認したという。 　自治体が異なると情報の共有量が少なくなるが、7月の食中毒発生後に、県と市の衛生部局が直ぐに情報交換をすれば8月、10月の食中毒は防げたかも知れない。飼育数が14,000羽であるので、複数の棟があったと考えられるが、四分の一以上にサルモネラ感染歴があるというのは極めて高く、衛生状態が悪かったのではないかと疑う。参考までに付け加えると、ＳＥ感染の鶏が毎日ＳＥ汚染卵を産むわけのではなく数日に１回であるため、特定が難しい。弱っているときに汚染卵を産むことが多い。なお、感染歴の場合は、以前感染していた鶏も含む。そのため、ＳＥ汚染卵を産まない鶏もいる。 　複数の県から、何件ものＳＥ食中毒が発生したので遡り調査をして養鶏場を特定できたとの報告もある。特定できた場合には、全羽処分、養鶏場を撤去、清掃消毒の実施、新しい養鶏場を建設という厳しい指導を行ったとの報告もある。 ●消費者の対策 　今後、国内の養鶏場においてＳＥ感染鶏を淘汰しても、原種鶏が汚染されている可能性は残る。そこで、鶏卵によるＳＥ食中毒予防策として、前号で述べたとおり、生食の場合には賞味期限内に食べ、調理する場合には調理直前に割卵するか、一人前ずつ割卵して調理する。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　前回で「パック詰鶏卵」の表示に関して述べたが、今回は養鶏場の現状と対策を述べる。</p>
<p><strong>●原種鶏は輸入、ＳＥ対策としてワクチンを投与</strong><br />
　<br />
　日本は原種鶏（卵を生産する鶏の二世代前、つまり祖父母）のほとんどを欧米（欧州の方が多い）から輸入している。理由は、品種改良されて多卵、耐病鶏であるから。輸入鶏（ヒナ）に関しては動物検疫においてロットごとに糞便検査をして、サルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）が検出されれば、水際で処分している。しかし、欧米の方がＳＥの感染率が高いうえ、全鶏の検査はできないので、ＳＥの感染を受けた原種鶏が輸入されていると考えられている。</p>
<p>　国内の、ほとんどの大規模養鶏場ではＳＥ対策用のワクチンを投与しているが、法的な規制は無いので、中小の養鶏場ではワクチン投与をしていないところもあると聞く。なお、養鶏場の衛生指導は家畜保健衛生所が行っている。<br />
　<br />
<strong>●ＳＥ食中毒が発生したら</strong></p>
<p>　保健所は、鶏卵が関係していると考えられる食中毒発生の際は、必ず残卵（使用した卵と同じ包装のもの）のＳＥ検査を実施する。しかし、汚染率は極めて低いので、ほとんど検出されない。私自身が関係した食中毒において、残卵からＳＥを検出したことは無い。鶏卵が原因あるいは原因と推定された場合には、ＧＰ（格付、包装）センターが所在する農政部局、他県の衛生担当部局へ調査を依頼するが、実際は農政部局がＧＰセンターの調査を行っている。理由は、鶏卵は農産物の一次産品であるからである。</p>
<p>　私自身が関係した食中毒において調査を依頼したことはあるが、回答は他から苦情相談が無いとのことで、食中毒の原因となった養鶏場の特定はできなかった。でも、このような情報で、ＧＰセンターが複数の養鶏場に注意喚起をしていると思い、少しは事故防止になっているものと考える。<br />
　また、原因飲食店等に複数のＧＰセンターの鶏卵がある場合には、十分に対処できない場合もある。そして、自治体間でSEの遺伝子情報の交換も行っているが、全ての自治体で遺伝子検査ができる状況にはなっていない。</p>
<p>　私の経験から考えると、大手のＧＰセンターの場合、この量販店へ出荷したのはこの養鶏場であったと判明するが、中小のＧＰセンターの場合、集荷してくる養鶏場も小さく、一つの量販店へもいくつもの養鶏場の鶏卵を使用しているので、養鶏場の特定は難しい。<br />
　なお、ＧＰセンターの指導は農政部局であるが、私は保健所管内に所在したＧＰセンターへは現状確認等で何回も伺っていた。</p>
<p><strong>●昨年の事例</strong></p>
<p>　昨年、大分県で興味深い事例があった。12月30日の毎日新聞が「サルモネラ食中毒：県と大分市、情報共有なく被害拡大」と報じている。記事によれば、最初の食中毒は大分市内の飲食店で５月に発生したが、市は「原因が卵か飲食店の衛生管理かはっきりしない」として、養鶏場を指導する立場にある県に報告しなかった。７、８月に市内の飲食店でサルモネラ食中毒が発生し、いずれの場合も卵の調達先は複数だったものの、５月の食中毒で原因と疑われた養鶏場も含んでいたため、やっと９月、県に報告したという。<br />
　記事は、7月に同県九重町のホテルでも高校生ら246人が発症し、同じ養鶏場の卵を使用していたことや、県大分家畜保健衛生所が調査し改善指導中だった10月にも、この養鶏場の卵を使った市内の病院で10人が発症していたことも伝えている。また、県の調査で飼育していた14,000羽のうち４分の1以上にサルモネラ感染暦があることを確認したという。</p>
<p>　自治体が異なると情報の共有量が少なくなるが、7月の食中毒発生後に、県と市の衛生部局が直ぐに情報交換をすれば8月、10月の食中毒は防げたかも知れない。飼育数が14,000羽であるので、複数の棟があったと考えられるが、四分の一以上にサルモネラ感染歴があるというのは極めて高く、衛生状態が悪かったのではないかと疑う。参考までに付け加えると、ＳＥ感染の鶏が毎日ＳＥ汚染卵を産むわけのではなく数日に１回であるため、特定が難しい。弱っているときに汚染卵を産むことが多い。なお、感染歴の場合は、以前感染していた鶏も含む。そのため、ＳＥ汚染卵を産まない鶏もいる。</p>
<p>　複数の県から、何件ものＳＥ食中毒が発生したので遡り調査をして養鶏場を特定できたとの報告もある。特定できた場合には、全羽処分、養鶏場を撤去、清掃消毒の実施、新しい養鶏場を建設という厳しい指導を行ったとの報告もある。</p>
<p>●消費者の対策</p>
<p>　今後、国内の養鶏場においてＳＥ感染鶏を淘汰しても、原種鶏が汚染されている可能性は残る。そこで、鶏卵によるＳＥ食中毒予防策として、前号で述べたとおり、生食の場合には賞味期限内に食べ、調理する場合には調理直前に割卵するか、一人前ずつ割卵して調理する。</p>
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		<title>パック詰鶏卵の表示に疑問を持ちませんか？</title>
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		<pubDate>Fri, 15 Apr 2011 07:09:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator>笈川 和男</dc:creator>
				<category><![CDATA[食品衛生監視員の目]]></category>

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		<description><![CDATA[　パック詰鶏卵の表示に関して賞味期限には十分に注意して購入していると思う。しかし、保存方法、使用方法に関して疑問を持ったことはないですか？ ●なぜ、流通販売時の温度管理が義務づけられていないか？ 　まず、保存方法について考えてみる。牛乳、洋生菓子などは、要冷蔵（10℃以下で保存してください）等の表示がされて、販売店でも冷蔵庫内に陳列され、流通でも10℃以下が義務付けられている。しかし、パック詰鶏卵の場合には「購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」と書かれているが、販売店では冷蔵庫内に陳列販売されていない場合がある。つまり、流通、販売での温度管理に関する義務付けが無いのである。 　鶏卵が原因とする食中毒の多くがサルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）である。我が国においては1989年（平成元年）から鶏卵が原因と考えられるＳＥ食中毒が増加した。その後大規模な食中毒、痛ましい食中毒が多数発生した。大規模な食中毒としては、1990年に広島市の洋菓子店で製造した、鶏卵を使用して生の食感を大事にするティラミスによる食中毒が発生し、12都府県で約700人が発症した。子供が亡くなる痛ましい食中毒も起きている。1996年に東京都の家庭で卵料理（ニラ卵炒めと納豆卵）を食べた家族4人が発症し、中学生が死亡した。このニラ卵炒めには前日に割った鶏卵を使用していて、半熟状態であった。 　1997年4月に三重県桑名保健所が全国調査を基に鶏卵による事故防止対策をまとめた。これを受けて、1998年6月に鶏卵業界の指針として「鶏卵の日付等表示マニュアル」が定められ、1999年11月に、殻付き卵の「生食できる賞味期限」の表示が国によって義務付けられた。この際に「保存方法：購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」「使用方法：生で食べる場合は賞味期限内に使用し、賞味期限経過後及び殻にヒビが入った卵を飲食する際は、品質を確認の上、なるべく早めに、充分に加熱調理してお召し上がりください」も表示することが義務付けられた。 　では、なぜ流通販売における温度管理は定められなかったのか？ 　先ず、鶏卵のＳＥ汚染割合は極めて低く10,000に3個程度といわれている。また、汚染卵に混入しているＳＥの菌数は数個と考えられており、数個であれば食べても発症しないとされている。鶏卵のＳＥ汚染原因は、鶏の卵管から卵白の部分へ侵入することとされ、卵黄膜がしっかりしていれば、ＳＥは増えない。しかし、卵黄膜は保存時間及び保存期間と一定の関係で弱化し、一定レベルまで弱化が進むと卵黄成分が卵白へ移動を起こし、ＳＥが増殖する。 　そのため、卵黄成分の卵白へ移動する前であればSEは増えず生食でも食中毒は抑えられると考えて、卵黄膜の弱化までの期間と安全性を計算して「生食できる賞味期限」が設定されている。そして、保管温度変化が大きいと卵黄膜の弱化が早いとされている。 　ならば流通から販売まで低温保管を義務付ければ良い。だが、鶏卵の集荷、ＧＰ（格付・包装）センターでの保管、その後の流通、販売店において一貫して低温管理するのは無理と考えられ、「購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」になったのだ。 　現在では、大手量販店では冷蔵販売されるようになったが、賞味期限が義務付けになった頃には大手量販店でも入荷の際には、数十分間直射日光が当たる場所に置かれていた。たとえ冷蔵車で運搬されても直射日光の当たる場所に置かれれば、温度変化が大きく傷みが早くなる。5年ほど前に大手ＧＰセンターを見た際に、大手量販店用の鶏卵は入荷後直ぐに低温庫に置かれ、包装後も低温庫に置かれていたが、その他の店用は全て常温で保管されていた。 ● 使用方法の意味 　次に、使用方法である。SEに汚染されている卵の比率は極めて低いのだが、賞味期限を超えた場合にはＳＥが増殖している可能性があり、卵黄が崩れている場合には、やはり卵黄膜が弱化しているのでＳＥが増殖している可能性がある。ヒビ割れをしている場合には外側からのＳＥ汚染が考えられる。そのために、使用方法の表示が義務付けられ、生で食べる賞味期限を超えた場合、卵黄が崩れた場合、ヒビ割れた場合には、充分に加熱調理してから食べるとなった。 　ＳＥには、もう一つ大きな問題がある。それは、前号の「生食のリスク管理」で述べたとおり、腸管出血性大腸菌Ｏ157、カンピロバクターと同様に100個以下と極めて少ない菌数で感染発症するということである。割卵すると卵黄膜が破れＳＥが増殖し、30℃程度の温度だと1時間で約10倍増殖する。たとえば昼食用にと数十個割卵すると、1個でもＳＥ汚染卵があれば、全体を汚染し、増殖する。加熱不十分だと複数の患者が発生する食中毒となる。そのために生の食感が美味しいスクランブルエッグ、カツ丼、親子丼などは一人前ずつ割卵し、充分な加熱調理が必要なのである。 　私個人としては低温流通が徹底するのが望ましいと考える。しかし、都市近郊の養鶏農家が、付近の八百屋等へ直接卸し販売する場合には、冷蔵庫の設置の義務付けは無理な場合があると考えられる。 　生卵を食べる習慣があるのは、世界でも我が国だけと思う。今後とも、美味しく鶏卵が食べられるよう、消費者及び飲食店等が「生食できる賞味期限、保存方法、使用方法」を注意していただきたい。なお、ウズラ卵はサルモネラ・チフィムリウムによる汚染が多いようで、同様に注意が必要である。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　パック詰鶏卵の表示に関して賞味期限には十分に注意して購入していると思う。しかし、保存方法、使用方法に関して疑問を持ったことはないですか？</p>
<div id="attachment_3711" class="wp-caption alignleft" style="width: 310px"><a href="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/04/keiran.jpg"><img class="size-medium wp-image-3711" title="keiran" src="http://www.foocom.net/wp/wp-content/uploads/2011/04/keiran-300x179.jpg" alt="keiran" width="300" height="179" /></a><p class="wp-caption-text">賞味期限が卵に直接印字している卵も、規格を別の場所に表示しているパックもある</p></div>
<p><strong>●なぜ、流通販売時の温度管理が義務づけられていないか？</strong></p>
<p>　まず、保存方法について考えてみる。牛乳、洋生菓子などは、要冷蔵（10℃以下で保存してください）等の表示がされて、販売店でも冷蔵庫内に陳列され、流通でも10℃以下が義務付けられている。しかし、パック詰鶏卵の場合には「購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」と書かれているが、販売店では冷蔵庫内に陳列販売されていない場合がある。つまり、流通、販売での温度管理に関する義務付けが無いのである。</p>
<p>　鶏卵が原因とする食中毒の多くがサルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）である。我が国においては1989年（平成元年）から鶏卵が原因と考えられるＳＥ食中毒が増加した。その後大規模な食中毒、痛ましい食中毒が多数発生した。大規模な食中毒としては、1990年に広島市の洋菓子店で製造した、鶏卵を使用して生の食感を大事にするティラミスによる食中毒が発生し、12都府県で約700人が発症した。子供が亡くなる痛ましい食中毒も起きている。1996年に東京都の家庭で卵料理（ニラ卵炒めと納豆卵）を食べた家族4人が発症し、中学生が死亡した。このニラ卵炒めには前日に割った鶏卵を使用していて、半熟状態であった。</p>
<p>　1997年4月に三重県桑名保健所が全国調査を基に鶏卵による事故防止対策をまとめた。これを受けて、1998年6月に鶏卵業界の指針として「鶏卵の日付等表示マニュアル」が定められ、1999年11月に、殻付き卵の「生食できる賞味期限」の表示が国によって義務付けられた。この際に「保存方法：購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」「使用方法：生で食べる場合は賞味期限内に使用し、賞味期限経過後及び殻にヒビが入った卵を飲食する際は、品質を確認の上、なるべく早めに、充分に加熱調理してお召し上がりください」も表示することが義務付けられた。</p>
<p>　では、なぜ流通販売における温度管理は定められなかったのか？<br />
　先ず、鶏卵のＳＥ汚染割合は極めて低く10,000に3個程度といわれている。また、汚染卵に混入しているＳＥの菌数は数個と考えられており、数個であれば食べても発症しないとされている。鶏卵のＳＥ汚染原因は、鶏の卵管から卵白の部分へ侵入することとされ、卵黄膜がしっかりしていれば、ＳＥは増えない。しかし、卵黄膜は保存時間及び保存期間と一定の関係で弱化し、一定レベルまで弱化が進むと卵黄成分が卵白へ移動を起こし、ＳＥが増殖する。</p>
<p>　そのため、卵黄成分の卵白へ移動する前であればSEは増えず生食でも食中毒は抑えられると考えて、卵黄膜の弱化までの期間と安全性を計算して「生食できる賞味期限」が設定されている。そして、保管温度変化が大きいと卵黄膜の弱化が早いとされている。</p>
<p>　ならば流通から販売まで低温保管を義務付ければ良い。だが、鶏卵の集荷、ＧＰ（格付・包装）センターでの保管、その後の流通、販売店において一貫して低温管理するのは無理と考えられ、「購入後は冷蔵庫（10℃以下）で保存してください」になったのだ。</p>
<p>　現在では、大手量販店では冷蔵販売されるようになったが、賞味期限が義務付けになった頃には大手量販店でも入荷の際には、数十分間直射日光が当たる場所に置かれていた。たとえ冷蔵車で運搬されても直射日光の当たる場所に置かれれば、温度変化が大きく傷みが早くなる。5年ほど前に大手ＧＰセンターを見た際に、大手量販店用の鶏卵は入荷後直ぐに低温庫に置かれ、包装後も低温庫に置かれていたが、その他の店用は全て常温で保管されていた。</p>
<p><strong>● 使用方法の意味</strong></p>
<p>　次に、使用方法である。SEに汚染されている卵の比率は極めて低いのだが、賞味期限を超えた場合にはＳＥが増殖している可能性があり、卵黄が崩れている場合には、やはり卵黄膜が弱化しているのでＳＥが増殖している可能性がある。ヒビ割れをしている場合には外側からのＳＥ汚染が考えられる。そのために、使用方法の表示が義務付けられ、生で食べる賞味期限を超えた場合、卵黄が崩れた場合、ヒビ割れた場合には、充分に加熱調理してから食べるとなった。</p>
<p>　ＳＥには、もう一つ大きな問題がある。それは、前号の「生食のリスク管理」で述べたとおり、腸管出血性大腸菌Ｏ157、カンピロバクターと同様に100個以下と極めて少ない菌数で感染発症するということである。割卵すると卵黄膜が破れＳＥが増殖し、30℃程度の温度だと1時間で約10倍増殖する。たとえば昼食用にと数十個割卵すると、1個でもＳＥ汚染卵があれば、全体を汚染し、増殖する。加熱不十分だと複数の患者が発生する食中毒となる。そのために生の食感が美味しいスクランブルエッグ、カツ丼、親子丼などは一人前ずつ割卵し、充分な加熱調理が必要なのである。</p>
<p>　私個人としては低温流通が徹底するのが望ましいと考える。しかし、都市近郊の養鶏農家が、付近の八百屋等へ直接卸し販売する場合には、冷蔵庫の設置の義務付けは無理な場合があると考えられる。</p>
<p>　生卵を食べる習慣があるのは、世界でも我が国だけと思う。今後とも、美味しく鶏卵が食べられるよう、消費者及び飲食店等が「生食できる賞味期限、保存方法、使用方法」を注意していただきたい。なお、ウズラ卵はサルモネラ・チフィムリウムによる汚染が多いようで、同様に注意が必要である。</p>
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		<title>生食のリスク管理</title>
		<link>http://www.foocom.net/column/hygiene/360/</link>
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		<pubDate>Fri, 25 Mar 2011 08:09:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>笈川 和男</dc:creator>
				<category><![CDATA[食品衛生監視員の目]]></category>

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		<description><![CDATA[　食品衛生監視員の一部は以前から、講習会等で「生卵、生カキ、生肉、出すな食べるな」と啓発していた。生卵の病因物質はサルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）。生カキはノロウイルス、生肉はカンピロバクターと腸管出血性大腸菌Ｏ157（以下Ｏ157）である。これらの共通点は極めて少ない量、100個以下で感染発症することである。そのため二次感染が発生しやすい病因物質であり、昔風に言えば伝染病菌である。 　鶏卵が関係するＳＥ食中毒は1988年に英国で大発生して、英国政府は「（スキヤキなど鶏卵を生で食べる）日本食に注意」と大々的に注意喚起をした。1989年になるとわが国においても鶏卵が関係するＳＥ食中毒急増し、ティラミス、卵うどんなどによる大きな食中毒事件が発生するようになった。私は当時、飲食店に対して監視指導、講習会の際に「鶏卵は生で提供する時は新鮮なものを、複数割って提供する場合は十分な加熱」と注意喚起をした。その後、1998年に「生食できる賞味期限と購入後の保存方法」の表示が定められ、養鶏場の衛生状態が向上し、事件数、患者数とも減少してきた。 　しかし、1万個に3個程度といわれるＳＥ汚染鶏卵は、割卵後は卵黄膜が破れＳＥが急激に増菌するので注意が必要である。一度に何十個を割って一つの容器に入れると、もし一個でもＳＥ卵混入していた場合には全体を汚染し、ＳＥが増菌する。これを調理すると、加熱不十分だが美味しい親子丼、カツ丼、スクランブルエッグができあがり、食中毒発生となる。 　現在も全国で毎年何件も食中毒が発生している。この対策としては一人前ずつ割卵してから調理するようにするのがよいだろう（ＳＥ汚染卵は極めて少なく、たとえ発症しても一人だけなので風邪かなで終わると思う）。大量の卵焼きを焼かなければならない弁当屋などは、低温殺菌された液卵を使用している。価格は高いが、リスクを回避できる。 　生カキ食中毒の原因はノロウイルス（以前の小型球形ウイルス、ＳＲＳＶ）である。飲食店に対しては、生食用カキであっても食中毒が発生すれば、最終的な提供者が処分されると注意喚起をしてきた。大変おかしな話である。だが、生食用カキは大腸菌群対策として定められたものであり、ノロウイルス対策では無かったため、仕方がないと思い指導してきた。 　現在、生産地においてノロウイルス検査がされるようになり、そして飲食店での生カキの提供が少なくなり、生カキによるノロウイルス食中毒は減少した。三重県志摩半島の出荷量の半数以上が殻付き（生）カキである生産者は、多くをオイスターバーなど、生カキが大好きな客が集まる飲食店へ直接販売しているとのことであった。「症状が出ても訴えることは無いだろう」とのことであった。これは生産者のリスク管理であり、その業者が関連した食中毒事件は聞いたことが無い。ノロウイルスに関しては調理従事者からの二次汚染としての食中毒発生が多くなっている。 　牛肉にはＯ157、鶏肉にはカンピロバクター、豚肉には極めて少ないがＥ型肝炎ウイルス、そして、食肉全体はサルモネラに汚染されていることがある。現在、国内において生食用として流通しているのは馬肉だけと考えられる。牛肉を生食用として出荷した実績がある施設はあるが、現在出荷していないと聞いている。 　毎年、牛刺し、牛レバ刺し、豚レバ刺し、鶏刺し、鶏ワサ（鶏生肉をスジきりして湯どおし）による食中毒が発生している。現職の頃、何回も「食肉の生食は危険がある」と注意喚起をし、各自治体も同様に、リーフレット、ホームページ等で注意喚起をしていたが、生肉を提供する施設が増えていったと思う。お客の要望ではあるが、テレビ放映も大きな原因だったと考える。テレビのグルメ番組で「この店の牛肉はと場から直接持ってくるから、生でも食べられる」のような放映を何回も見たことがある。 　テレビで放映された地域の保健所に知人がいれば「この番組で、牛刺しの提供を放映していた」と連絡する。「監視、講習会の際に止めるようにと指導しているのだが」との答えが返ってくる。私としては、不見識なテレビ番組が「食肉の生食をあおっている」と思えてならない。食肉の生食の放映は絶対にやめてもらいたい。 　2009年には全国展開をしている飲食店チェーンで成型肉ステーキの加熱不十分により広域散発性のＯ157食中毒が発生したのは多くの人の記憶に残っているものと思う。牛肉、特に成型肉はＯ157の汚染率が高いことを認識していなかったのが原因であり、根本的なリスク管理がなされていなかったと考える。 　日本人は世界一「生食を愛する国民」だと思う、しかし、生卵、生カキ、生肉の提供にはリスクがあること認識していない飲食店があり、消費者とともに認識してもらいたい。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>　食品衛生監視員の一部は以前から、講習会等で「生卵、生カキ、生肉、出すな食べるな」と啓発していた。生卵の病因物質はサルモネラ・エンテリティディス（以下ＳＥ）。生カキはノロウイルス、生肉はカンピロバクターと腸管出血性大腸菌Ｏ157（以下Ｏ157）である。これらの共通点は極めて少ない量、100個以下で感染発症することである。そのため二次感染が発生しやすい病因物質であり、昔風に言えば伝染病菌である。</p>
<p>　鶏卵が関係するＳＥ食中毒は1988年に英国で大発生して、英国政府は「（スキヤキなど鶏卵を生で食べる）日本食に注意」と大々的に注意喚起をした。1989年になるとわが国においても鶏卵が関係するＳＥ食中毒急増し、ティラミス、卵うどんなどによる大きな食中毒事件が発生するようになった。私は当時、飲食店に対して監視指導、講習会の際に「鶏卵は生で提供する時は新鮮なものを、複数割って提供する場合は十分な加熱」と注意喚起をした。その後、1998年に「生食できる賞味期限と購入後の保存方法」の表示が定められ、養鶏場の衛生状態が向上し、事件数、患者数とも減少してきた。</p>
<p>　しかし、1万個に3個程度といわれるＳＥ汚染鶏卵は、割卵後は卵黄膜が破れＳＥが急激に増菌するので注意が必要である。一度に何十個を割って一つの容器に入れると、もし一個でもＳＥ卵混入していた場合には全体を汚染し、ＳＥが増菌する。これを調理すると、加熱不十分だが美味しい親子丼、カツ丼、スクランブルエッグができあがり、食中毒発生となる。</p>
<p>　現在も全国で毎年何件も食中毒が発生している。この対策としては一人前ずつ割卵してから調理するようにするのがよいだろう（ＳＥ汚染卵は極めて少なく、たとえ発症しても一人だけなので風邪かなで終わると思う）。大量の卵焼きを焼かなければならない弁当屋などは、低温殺菌された液卵を使用している。価格は高いが、リスクを回避できる。</p>
<p>　生カキ食中毒の原因はノロウイルス（以前の小型球形ウイルス、ＳＲＳＶ）である。飲食店に対しては、生食用カキであっても食中毒が発生すれば、最終的な提供者が処分されると注意喚起をしてきた。大変おかしな話である。だが、生食用カキは大腸菌群対策として定められたものであり、ノロウイルス対策では無かったため、仕方がないと思い指導してきた。</p>
<p>　現在、生産地においてノロウイルス検査がされるようになり、そして飲食店での生カキの提供が少なくなり、生カキによるノロウイルス食中毒は減少した。三重県志摩半島の出荷量の半数以上が殻付き（生）カキである生産者は、多くをオイスターバーなど、生カキが大好きな客が集まる飲食店へ直接販売しているとのことであった。「症状が出ても訴えることは無いだろう」とのことであった。これは生産者のリスク管理であり、その業者が関連した食中毒事件は聞いたことが無い。ノロウイルスに関しては調理従事者からの二次汚染としての食中毒発生が多くなっている。</p>
<p>　牛肉にはＯ157、鶏肉にはカンピロバクター、豚肉には極めて少ないがＥ型肝炎ウイルス、そして、食肉全体はサルモネラに汚染されていることがある。現在、国内において生食用として流通しているのは馬肉だけと考えられる。牛肉を生食用として出荷した実績がある施設はあるが、現在出荷していないと聞いている。</p>
<p>　毎年、牛刺し、牛レバ刺し、豚レバ刺し、鶏刺し、鶏ワサ（鶏生肉をスジきりして湯どおし）による食中毒が発生している。現職の頃、何回も「食肉の生食は危険がある」と注意喚起をし、各自治体も同様に、リーフレット、ホームページ等で注意喚起をしていたが、生肉を提供する施設が増えていったと思う。お客の要望ではあるが、テレビ放映も大きな原因だったと考える。テレビのグルメ番組で「この店の牛肉はと場から直接持ってくるから、生でも食べられる」のような放映を何回も見たことがある。</p>
<p>　テレビで放映された地域の保健所に知人がいれば「この番組で、牛刺しの提供を放映していた」と連絡する。「監視、講習会の際に止めるようにと指導しているのだが」との答えが返ってくる。私としては、不見識なテレビ番組が「食肉の生食をあおっている」と思えてならない。食肉の生食の放映は絶対にやめてもらいたい。<br />
　2009年には全国展開をしている飲食店チェーンで成型肉ステーキの加熱不十分により広域散発性のＯ157食中毒が発生したのは多くの人の記憶に残っているものと思う。牛肉、特に成型肉はＯ157の汚染率が高いことを認識していなかったのが原因であり、根本的なリスク管理がなされていなかったと考える。</p>
<p>　日本人は世界一「生食を愛する国民」だと思う、しかし、生卵、生カキ、生肉の提供にはリスクがあること認識していない飲食店があり、消費者とともに認識してもらいたい。</p>
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