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めんどな話になりますが…|松永 和紀

どんなコラム?
職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります
プロフィール
京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動

遺伝子組換え反対派生協などが、飼料としての利用を開始

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2011年4月9日

 遺伝子組換え作物を食品として利用しないだけでなく、飼料としての利用も拒否してきた生協、団体が、震災による飼料工場の被災を理由に次々に、飼料利用に踏み出している。

大地を守る会
パル・システム生協
生活クラブ生協

 私は、現在認可されている遺伝子組換え作物の食品や飼料としての安全性については、懸念がないと思っている。時折、一部の科学者が「危険だ」「リスクあり」と言いだすが、EFSAをはじめとするリスク評価機関が精査し、「統計処理に問題がある」などと評価し、「危険、リスクあり」とする意見を否定するのが常だ。
 一部の反対する科学者の動きだけを消費者に知らせて「だから、遺伝子組換えは危ない」と主張しする団体や生協などの姿勢にはとても賛同できない。

 だから、上記の3団体には今後、科学的なリスクの判断に向かってほしい、と思う。
 食品や飼料としてのリスクについての判断と、環境影響や社会的影響、倫理観などに基づく判断を混同してはいけないのだ。これからは、きちんと分けて伝えてほしいと願っている。

 それにしても、他人事ながら心配になる。これまであれだけ、3団体は「危ない」とか「問題あり」と顧客や組合員に吹き込んできているのだ(パルシステムは、ほかの2団体とは若干異なり、「特別な危険はないとされているが、歴史の浅い技術なので想定外の問題の発生を懸念する声もある」としている)。いくら、震災が理由だとしても、利用開始を顧客や組合員は納得できるのか? 食べながら「私たちは、危ない物を食べざるを得ない。震災だから仕方がない」と恐怖に打ち震えるのだろうか?

 罪な話である。そんな恐怖も不安も要らない、と教えてあげたい。まっ、私の話なんて3団体関係者には聞いてもらえないのですが……。

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