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外食・中食、よろしゅうおあがり|道畑 美希

どんなコラム?
食のマーケティングやレストラン経営が専門。社会に出てから食を見続け、食べ続け、四半世紀。もはや語り部と化すおババのコラムです
プロフィール
京都大学農学部修士課程修了後、外食企業を経てフードコーディネーターに。東洋大学講師・Foodbiz-net.com代表

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2011年4月28日

 「北関東産の野菜、外食から使い始めよう」と前回の原稿では書いた。積極的に使う企業もあれば、西日本の産地に仕入れ先を求めた企業もある。
 さて、人に言うからには、自分でもやってみようと、大学の学生食堂で福島県の野菜をメニュー化しようと、学生たちとチームを立ち上げた。

 しかし、進めてみると、一番すんなり行くと思った野菜の仕入れがネックとなり、計画は現在足踏み状態。大学のややこしい組織のなかを根回しし、学食の運営者とも打ち合わせを重ね、受け入れ側はすべて整ったのに、肝心な野菜を仕入れることができてない。

● 生産者が一番不安

 今までフィールドワークなどで訪れた中山間地にあるいくつかの村や町の生産者グループに野菜をお願いしたが、ちょうど端境期にあたり出荷できるものがないとのこと。5月中旬には、トマトや夏野菜が出荷できそうだが、生産者自身も、出荷していいものかどうか、また自分たち自身で食べるのもどうなのか、逡巡しているという。

 生産者グループで検査機関にも検査依頼を出しているそうだが、その費用は甚大で、かつ時間もかかるとのこと。安全面に関する行政からの具体的な指導はないという。私も福島県の農産物安全流通課に問い合わせてみたが、モニタリング調査を実施し、ウェブサイトに掲載しているという。県庁なんて農産物どころではないだろうに、ちゃんとウェブサイトに掲載され、毎回の数値が更新されている。
 
 が、4月上旬まで出荷制限や米の作付け制限などがかかっていたこともあり、生産者が「これは大変なことではないか」と不安に思うのは当然のことだろう。消費者の誤解を解く一方で、生産者の不安を和らげることも求められる。

● 結局、○○産でしか判断できない私たち

 いまや「福島産」はある意味、ブランド。低価格であることも手伝って、都内で「福島がんばれ直売市」などをやれば飛ぶように売れるらしいし、JA福島のネット販売も好調という。そういう私も、福島産を求めている。結局、また○○産に振り回されている。先日、都内のデパートで「西日本産の卵はないの!」と怒ったおばさまの話を聞いて、バカにしていたけど、自分も同じレベルやん、と。
 が、気づくのが遅すぎた。学生を交えたプロジェクトは、進行していて、学生はノリノリだ。後に引けない。企業の行動は様々。大きな組織の担当者も、皆、複雑な思いを持ちながら、進行しているはず。

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