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虫愛でる爺|池田 二三高

どんなコラム?
定年退職後も静岡県を中心に各地で害虫防除を指導している筆者が、虫の発生や生態、被害を受けた作物を見事にとらえた写真でつづる虫エッセイ
プロフィール
1941年静岡県生まれ。65~2001年、静岡県農業試験場、病害虫防除所などで農作物害虫の発生生態や防除法の研究に従事

ウリハムシ 食事マナーをしっかり守っています

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2011年10月6日
Cucurbit leaf beetle imago

ウリハムシの成虫。体長約5mm

Cucurbit leaf beetle larva

ウリ類の根を食害するウリハムシ幼虫

Cucurbit leaf beetle-leaf

葉の被害:円形の被害症状が特徴

Cucurbit leaf beetle-cucumber

果実の被害:果実を食害する時も、まず円形の傷をつけてから食害を始める

 ウリハムシはウリバエとも呼ばれている甲虫の仲間で、野外ではカラスウリやキカラスウリで年1回発生します。成虫はウリ類の葉を、幼虫はウリ類の根を食害する大害虫です。成虫は時に草花の花も食害します。

 成虫は、ウリ類の葉を食べるときに大変珍しい食べ方をします。葉表にとまった成虫は、いきなり葉を食べることはありません。やおらぐるりとまわりながら葉の表面を薄く囓って円形の傷を作り、そしてその円内の葉を食害します。必ずこの方法をとってから次々と葉を食べていきます。成虫を捕ってきて大きなビール袋に入れ、餌としてキュウリの果実を丸ごと与えると果実表面にも円形の傷をつけてから食べ始めます。人間的に考えれば、どうやらそれは食事のマナーになっているようです。そのため、ウリ類の葉にこのような被害があれば、犯人はウリハムシに間違いありません。なぜこのような食べ方をするのか、諸説はありますが合理的な説にはなっていないように思われますので、その紹介は省きます。

 害虫はどれもこのウリハムシほど極端ではありませんが、種類により或いはそのグループにより被害症状に特徴があります。葉の表皮を残して食べる、太い葉脈を残して食べる、硬い葉を食べる、葉の縁から食べ始めるなど、害虫の種類により食事マナーはほぼ決まっています。

 圃場で作物の被害をみても害虫は見あたらないことが多く、“犯人”の特定がなかなかできないものですが、被害症状から害虫の種類を推定できる手だてはあります。特に若いムシの食事マナーがわかれば、防除対策も早期に手を打つことができ防除回数も削減できます。運良く圃場で若いムシを見つけたときには、どのような被害症状になっているかをじっくり観察してみて下さい。少農薬栽培を行うには必要な知識です。(写真をクリックすると、大きな写真が見られます)

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