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【新刊紹介】「外食もお酒もやめたくない人の『せめてこれだけ』食事術」

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2020年1月23日

食生活ジャーナリストの佐藤達夫さんの「外食もお酒もやめたくない人の『せめてこれだけ』食事術」(株式会社ウェッジ)。著者は月刊「栄養と料理」(女子栄養大学出版部)の編集長を経て、20年以上にわたって様々な媒体で食・健康情報を発信されており、本サイトFOOCOMでも最新情報をご寄稿頂いている

本著は今から4年前、WEDGEの若い編集者から「健康的な食事をしなければと、わかっちゃいるけどできない人のために、今よりも少しは健康になれる情報を提供してほしい」との依頼がきっかけだったそうだ。佐藤さんは「言われてみれば、私が提供している健康情報は、いつも間にか、かなり高度になってしまい、『現実離れ』してしまったのかもしれない」と気づき、そこからウェブサイトでの連載が始まった。

健康診断などで数値がひっかかると、管理栄養士など専門家から生活指導を受け、食生活の様々な注意点が告げられる。国が定めた「食事バランスガイド」などをもとに理想的な食事が説かれるが、それを難しく感じる方も多いはず。そこで「理想ではなく次善のアドバイス」として、外食、お酒、ダイエットの章ごとに実践可能なコツをまとめている。

たとえば「第2章 外食でもこんなに健康に!栄養バランスを整える食事のコツ」では、「外食の基本として、いつも同じ店やいつも同じ料理を避ける」「一皿物より定食物を選ぶ」「和風定食は塩分摂取量が多くなりがちなどで注意」「麺類は塩分が多いので汁を残す」「加熱野菜の1品を加えて野菜をたっぷりと」「ゆっくり食べる」等々、メニューの選び方、食べ方などが具体的に紹介されている。

これらは「方法はきわめて簡便であっても、その内容は科学的根拠があること、あるいは多くの専門家が推奨することに限って紹介してある」と佐藤さんは言う。巷には「○○は体によい」「○○だけダイエット」など科学的根拠が乏しい情報が書かれた本もあるが、それらとは一線を画した内容となっている。

「第4章 気になる体重・体脂肪 忙しいビジネスパーソンのための簡単ダイエット 無理なく続けて健康になるための減量の極意」では、「簡単ダイエット」ということばにひかれたが、良い意味で裏切られた。ネタバレになるが、基本は「消費カロリーより摂取カロリーのほうが多ければ太るし、その逆であればやせる」と、至極全うである。

そのうえで「糖質制限ダイエット」「朝食バナナダイエット」など、「〇〇制限」ダイエットはやめたほうがよいとして、その科学的根拠も示している。糖質制限ダイエットは、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスが崩れることから健康を損なうリスクがきわめて高く、炭水化物を制限することで食物繊維もとれないリスクがある。

じゃあどうすればいいのか?佐藤さんがおススメするダイエット法は「一番好きなものを少し減らす…お酒、スイーツ、揚げ物など少し減らす」「記録する…何をどれだけ食べたか、写真撮影でもメモアプリでもいいので記録する」「有酸素運動…ジョギング、ウォーキングなど細切れでもいいので一定時間確保する」「無酸素運動…日常の軽い筋トレで基礎代謝を高める」等々。

様々な研究から、あるダイエット法を始めるとそれ以外のことでも体重を減らす行動をとるらしいので、方法にこだわらずに「とにかく始める」ことが重要だそうだ。ダイエットは無理のない範囲で継続して行い、目標は1か月1kgで十分。極端なダイエットは長続きせず「減量の極意」はここにあり、と気づかされた。楽してはやせられないのである。

もう1つ、ビジネスパーソンを混乱させる、巷にあふれる科学的根拠が乏しい食情報については「第5章 食のフェイク情報に踊らされない「ワンランク上」の健康管理術」で注意を促している。たとえば「ヘルシー」ということばは、植物性食品が動物性食品よりもヘルシーなどと誤解を生む使い方が多いと嘆く。一方、日本人は食塩が摂りすぎであり、減塩ならば「ヘルシー」であるとキッパリ。

本の中で一貫しているのは、「健康で長生きするためには、バランスよく、適量、減塩を」ということ。それを伝えるために、外食、お酒、ダイエットなど章に分けて、手を変え品を変えて具体例を伝えている。読み進めていくうちに「巷にある情報を自分の都合のいいように解釈してはいけない」という考え方もいつの間にか身につく。

本著の「はじめに」の冒頭、「健康は目的でなく手段である」とある。食生活も含めた生活習慣が健康状態を左右することがわかっている現代、人生の目的を達成するためには「せめてこれだけ」のシンプルなことに気づいてほしい。そんな生き方の指南書ともなっている。

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