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第4回食品表示一元化検討会:原料原産地表示拡大の是非をめぐって意見噴出~小比良 和威(おひら かずたけ)さん

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2012年1月6日

 12月19日に開催された第4回食品表示一元化検討会について、食品コンサルタントの小比良 和威(おひら かずたけ)さんに感想を寄せてもらいました。
(今回、小比良さんは傍聴席にパソコンを持ち込み、議論の内容についてtwitterにて実況をしてくれました。議事内容はこちらをごらんください。)

 第4回目は(1) 加工食品の原料原産地の表示拡大 (2) 食品表示の適用範囲 (3) 消費者意識調査の設問(案)の3つの議題について議論が行われた。また、資料として前記3つの資料の他に参考資料として「表示することとなった主な理由・経緯について」と「原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会報告書」ならびに「原料原産地表示拡大の進め方についての意見」が配付された。

 まず、加工食品の原料原産地表示の表示拡大について。これは、前回の議題にあがっていたが、時間が足りずに今回に持ち越されたものである。議論は原料原産地表示を拡大することについての是非についての意見が噴出し、多くの委員からは、緊急性や優先順位の観点から異議がだされた。また、コーデックスなど海外の動きとの比較議論や、ガイドラインなどによって企業の自主的な取組みを促すことなどの前向きな提案も行われた。

 これらの議論を聞きながら、「またか」という気にさせられた。原料原産地表示に関する議論は、過去にも食品の表示に関する共同会議で議論が行われてきた。また、昨年も原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会が開かれていた。そのたびに同様の議論が繰り返されている。今回あがった指摘のほとんどはすでに指摘されてきたものだ。そこまでして原料原産地表示を拡大する意味があるのか理解に苦しむ。

 日本生協連の鬼武一夫委員の発言にもあるが、今年新たに義務対象に加わった黒糖と昆布巻きについてのレビューも行い、原料原産地表示の拡大が消費者に与えている影響なども見直してほしい。(なお、黒糖と昆布巻きの原料原産地表示については消費者委員会 食品表示部会の第4回・第5回の議事録なども参照すると、表示拡大が無理筋であることがわかる)

 続いて、消費者意識調査の設問(案)についてだが、これはインターネットを使ったアンケート調査という形で実施される予定だ。しかし、こちらも調査計画について十分に練り込まれたものとはいえず、各委員から批判が相次いだ。しかも予算の関係からか、事務局からは年度内にとりあえず実施させてほしいという発言まで飛び出した。そうした大人の事情やらで何らかの調査を行うことも必要だということは理解できないでもない。しかし、今後の議論の貴重な資料になるデータである。修正が行われると思うが、調査方法は慎重に見直してほしい。

 今回の検討会において、法律の目的や現在の法律での義務表示事項についての意味の確認など大枠の議論はまだ終了していない。それらに優先して個別の議論を行おうとする議事運営上の無理が露呈した形となった。前回も述べたが、まず目的について結論を出し、その上で各表示項目の意義を再点検することが急務だ。そうしてJAS法と食品衛生法の義務表示部分について、不整合部分を修正するともに、わかりやすい表示方法についての議論を尽くすことが優先される。

 現行の法律をまとめるだけになるという批判も生じるかもしれないが、事業者にとって見通しの良い制度になるだけでも、表示間違いのリスクは減るだろう。それは消費者利益にもかなうはずだ。その上で、追加の部分は検討課題としてまとめ、以降の議論に引き継いでいくという考え方ではだめだろうか。(有料会員向けメールマガジン12月22日付け第33号の記事を一部変更して掲載しました)

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