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対談・震災後の今、消費者団体にできること・最終回

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2011年4月14日

全国消費者団体連絡会事務局長 阿南 久さん×FOOCOM.NET編集長 松永和紀
対談第2回から続く

●消費者庁参与としての活動

松永  阿南さんは現在、消費者庁参与ということですが、どのような場面で活動されているのでしょうか。

阿南  今年から消費者庁参与となりましたが、実はまだ1回しか参与会には出席していません。私が参与になる以前、日生協から品川尚志さん、弁護士出身の池本誠司さんが消費者庁参与として、発足当初から活動をされていました。当時は立ち上がったばかり、ということもあり、参与は机もあって、週に2、3回は出ておられました。私に声がかかった時には、参与として求められる役割は変わってきて、アドバイザー的な役割で関わってほしいということでした。参与会は3か月に1回くらいの開催ですし、人数も5人となって増員されています。これまでのように頻繁に出かけて意見を述べるという立場ではありません。

松永  参与となってもあまり意見が言えない、ということでしょうか。口さがない世間の人たちは、消費者庁批判を展開する阿南さんの口封じをするために消費者庁が参与にしたのでは、なんて言っています。

阿南  今でも、消費者庁の問題点は大きな声で言っていますよ。口封じなんて、されてません(笑)。参与と消費者庁の意向が一致しないこともありますからね。池本さんは地方行政が果たす役割について重きを置いていて、消費者庁の現在の方向性について疑問を投げかけておられます。私も消費者庁を作った主旨からいえば、そのご意見は妥当だと思います。消費者庁が発足して1年半がたちますが、地方自治と地方消費者行政強化の問題、国民生活センターの問題は今なお争点となっていて、意見がまとまっていません。もう一度、消費者庁ができた経緯から考えて、参与会でも議論する必要があると思っています。

●今回の震災対策で消費者庁ができること

松永  今回のような震災後に、消費者庁としてできることは何なのでしょうか。

阿南  消費者庁は震災後、買い急ぎを控える呼びかけ、食品の安全性や表示に関する情報発信、詐欺、悪質商法に関する呼びかけなど、様々な情報発信をしています。ただ、こういう時だからこそ、消費者庁でなくてはできないことがあるのではないかと思います。それはまず、発信する情報をもっと消費者に分かりやすく噛み砕くことです。それから、、被災地の人々の消費生活を支援するような直接的な取り組みです。地方の消費生活センターは平常時でも人員が足りていない、今回被害を受けた地域ではなおさらでしょう。そういうセンターに消費者庁から人を送るなどしてサポートすべきではないのか、と思います。

松永  確かに現地は混乱していて、詐欺やいろんな被害が起こっているはずですね。

阿南  被災者は早く消費生活に関わる相談もしたいでしょうから、すぐに体制をつくらなくてはいけない。復興時は必ず建築関係のトラブルや契約トラブルがでてきます。今はまだ救済が先で、余裕がないかもしれないけれども、早く準備していかないと消費者被害がでてきます。消費者が経済的損害を被る前に、まずは相談できる場所がほしいですよね。消費者相談の有資格者はたくさんいますし、役に立ちたいと思う人もいるでしょう。消費者庁が音頭をとって、そういう人たちをまとめて活動できる場所を作ることが第一歩です。窓口がなければ被害があっても把握もできません。消費者庁だからできることを主導してやってもらいたいと思いますね。

(3月24日、全国消費者団体連絡協議会事務所で)

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