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株式会社東洋新薬から謝罪と削除の要請がありました

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2015年7月8日

 FOOCOMは2015年6月19日、複数の機能性表示食品に関する疑義情報と消費者庁への要望を、同庁に提出しました。これについて、株式会社東洋新薬(本社・福岡市)法務部から「事実無根であり、営業上の不利益を被っているため、直ちに申し入れを撤回し、ホームページなどからの削除と謝罪を求める」との文書が配達証明付きで来ました。同年6月26日付で発送されたもので、同7月3日に受領しました。

 私たちは同社の製品に関して、事実無根の指摘をしたとは考えておらず、文書の撤回や謝罪をするつもりはありません。そのため、リンク総合法律事務所山口貴士弁護士を代理人として同7月6日付で回答書を同社に送付しました。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(7月13日追記)その後、株式会社東洋新薬のウェブサイトで「一般社団法人Food Communication Compassによる回答書に対する当社見解」が掲載されました。(2015年7月9日付)http://www.toyoshinyaku.co.jp/――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 私たちは消費者団体として、機能性表示食品の改善を促す役割があると考えおり、同社からの抗議の内容とそれについての私たちの回答を公開することも、消費者の選択に資するものである、と捉えています。以下、詳しく説明しますので、お読みください。

FOOCOM通知書内容証明150706

 私たちは、東洋新薬の製品「メディスキン」の機能性表示の根拠として示されたシステマティックレビューに疑義を呈し、消費者庁に提出しました。
 同社は、レビューの結果、8研究を採択し、一括して植物由来のグルコシルセラミドとして評価をしています。製品が米由来のグルコシルセラミドであるのに対し、8研究は米由来2、コンニャク由来3、トウモロコシ、ビート、パイナップル各1と多岐にわたっています。

 消費者庁への提出文書で、私たちは下記のように記述しました。

 異なる作物由来のグルコシルセラミドを「植物由来」で一括りにし、システマティックレビューを行うのであれば、各作物のグルコシルセラミドが同一であることの根拠が示されなければならない。しかし、届け出書類ではなにも言及されていない。これは、ガイドライン (V)機能性に係る事項の第3の1の(2)「なお、機能性関与成分に関する研究レビューを行う場合、当該研究レビューに係る成分と最終製品の成分の同等性について考察されていることが前提となる」を満たしていない。

 これについて、同社は、FOOCOMに送付された文書で、異議を唱えています。該当部分を引用します。

 しかしながら、当社届出書類(別紙様式(V)-16の【機能性関与成分の定性的性状に関する考察】において、

 「コメ、コンニャク、トウモロコシに含まれるグルコシルセラミドの活性本体である、スフィンゴイド塩基の組成が非常に近しいことを考慮すると、本システマティックレビューの結果を本品の機能性関与成分である米由来グルコシルセラミドに外挿できると考えられる。」

 と記載しております。

 このため、上記の記載により、貴法人の申し立てにおける、
① 各作物のグルコシルセラミドが同一であることの根拠がしめされなければならない。
② 届出書類ではなにも言及されていない。
との指摘は事実無根と言わざるを得ません。

 当社は、貴法人による事実と異なる申立てにより、営業上の不利益を被っているため、直ちに消費者庁に対する申し入れを撤回し、ホームページを初めとする当該申入れを掲載した各種媒体からの当該申入れの削除を要請するとともに、貴法人から当社への謝罪を求めます。

 これに対して、私たちは代理人を通じて、「要望は理由がないものであり、応じかねる」と回答しました。主に次の4点を主張しています。

1. 同社が述べているのは、「スフィンゴイド塩基の組成が非常に近しい」ということであり、同一であることは根拠を持って示していない
2. ビート、パイナップルについては、レビューで採択し根拠としているが、米と同一であるかについて何ら言及していない
3. FOOCOMは、食品にからむ多岐にわたる情報を、科学的根拠に基づいて分かりやすく迅速に提供することを目的とする非営利団体であり、指摘は公共の利害に関する事実であり、公益を図る目的に基づくものである
4. 機能性表示食品制度は、消費者庁が届出情報をホームページにおいて公開し、これに対して様々な指摘、疑義情報が同庁に寄せられ、また、公開された情報に基づき、消費者や専門家の間で議論が活発に行われることで、事後的な監視、規制に繋げる仕組みである。消費者庁のホームページにおいて公開された内容に基づく意見、論評については、明らかな悪意などに基づくものでない限り、法的責任は問題とならないものである。

 5作物のグルコシルセラミドが多少の構造の違いはあれど、機能性効果において同一であり同一の機構により作用を及ぼす、ということが科学的根拠に基づき考察され示されなければ、ガイドラインを満たさない、と私たちは考えます。
同社の届出情報には、私たちの疑問を解く科学的、学術的根拠は書かれていませんので、消費者庁に疑義として提出したものです。今回いただいた文書でも、科学的、学術的根拠は示されていません。

 なお、機能性表示食品には事前チェックの仕組みはなく、届出後の事後チェックが重要であることは、消費者庁の国会答弁や長官の記者会見などで、繰り返し述べられています。2015年5月19日の参議院厚生労働委員会では、消費者庁の岡田憲和審議官が、次のように答弁しています。

 本制度は、届出後の事後チェック制度をしっかり機能させることが前提となっておりまして、消費者庁は、開示資料を端緒として寄せられる疑義情報も活用いたしまして、届出情報の公表後に安全性や機能性に関する科学的根拠等について食品表示法に基づき事後監視を行うということにしておるわけでございます。
具体的には、一般論で申し上げますと、消費者庁におきましては、機能性表示食品に係る疑義情報の内容を確認の上、必要に応じまして事業者に確認をした上で、仮に科学的根拠に基づかないものであることが明らかになった場合には、当該食品は機能性表示食品としての要件を満たしていないこととなるため、事業者に対して撤回届の提出を求めることとなるという手続でございます。

 また、板東消費者庁長官も、5月13日の記者会見で、次のように語っています。

 事後的なチェックというのはまさに情報がまずオープンにされて、もちろん行政庁だけではなくて、さまざまな方々がそれをもとに例えば、いろいろな反響、リアクションもあり、疑義情報などが寄せられるというようなことも、まず事後チェックの第一歩のところということになるかと思います。いろんな情報の提供などが行われやすいように、それを受ける窓口、仕組みなどについても、今さらに整備をさせていただこうと思っておりますので、そういった現にある仕組みがより一般の方々からアクセスしやすいような形というのは考えていかなければいけないかと思っております。その一つ一つの事柄にどう対応していくのかということが積み重なっていって、この適正な運用ということが図られていくと思っております。

 消費者庁は、監視のために消費者等からの疑義情報を求めています。そして、その精査を自分達が実行し、要件を満たしていないと判断すれば撤回を求めることで監視を行う、と明言しているのです。

 私たちは、この考え方に則って、疑義情報を消費者庁に提出しました。それが妥当であるのかないのかの判断は消費者庁が行うものであり、私たちの活動は適正な消費者活動です。
 今回、株式会社東洋新薬の法務部から文書が来たため、私たちも法律家である代理人を通じて回答しました。

 本件に関しては、今後の経過についても引き続き、ホームページ上においてご報告させて頂きます。

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